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第401号 2009年3月5日
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料理人・土山憲幸の熊本流レシピ
3月のレシピ

 「魚のうまい、まずいを知るには、山を見よ」という言葉をご存じですか? 山々からわき出す清らかな水は、大地を肥やす川となって、やがて海へと注ぎます。美しい水の力が、豊かな海を育てるわけです。熊本は九州山地や阿蘇山の大自然に囲まれた“森の都”だからこそ、四季折々に多彩な海の幸を楽しめるということですね。

 今月の食材に選んだ「サザエ」もまた、天草の名産の一つ。プランクトンなどエサになる生き物が豊富にすむ天草灘で育ったサザエは、粒が大きくて濃厚なうま味があります。魚屋に行けば新鮮なサザエが手に入ることは、熊本に住んでいると当たり前のようですが、実はとてもぜいたくなこと。熊本の食の豊かさに感謝したいですね。

 3〜4月は貝類の旬。ちょうど「ひな祭り」のころが一番おいしい時季です。熊本では小さいものは1個100円程度、大きいものでも200円前後でサザエを買えると知って、びっくりした思い出があります。家庭ではサザエを使ったメニューはなかなか登場しないと思いますが、簡単で手ごろな一品として食卓をにぎわしてくれます。ぜひ試してみてください。

 「サザエの壷焼」といえば殻ごと火であぶり、しょうゆを垂らして食べるのが一般的ですが、このレシピは地元で採れる野菜を加えた熊本風。タケノコ、シイタケ、ギンナンを刻んで、身と一緒に殻に詰めて風味豊かに、彩りも美しく仕上がります。冷蔵庫にある野菜などを利用したり、好みでアレンジを楽しめます。

 盛り付けには「練り塩」を敷いて、サザエが転がらないようにひと工夫するのもお薦めです。粗塩に卵白を混ぜるのが本格的ですが、水分を与えるだけでも大丈夫。練り塩を敷いた器に盛り付けると、おもてなしの一品にも喜ばれます。半熟のうずらの卵を絡めながら、お召し上がりください。

 
サザエの壷焼イメージ
ワンポイントサザエの殻をよく洗い一度ボイルし、ナイフやスプーンの柄などを使い身を取り出す。襟巻き状に巻き付いている“ヒラヒラ”は苦いので、丁寧に取り除き、身とわたの間に入り込んでいる砂を取り、流水できれいに洗う。
【レシピ】「サザエの壷焼」
(材料4人分)
材料
サザエ(大) 4個 タケノコ 適量
シイタケ 適量 ギンナン 8粒
三つ葉 少々 うずらの卵 4個
粉サンショウ 少々
適宜(練り塩用)
(調味料)
だし汁 大さじ6 酒  大さじ1
濃口しょうゆ 大さじ1
赤酒 大さじ1/2
●作り方
(1)サザエは、一度ボイルし、殻からはずして食べやすい大きさにスライスしておく。
(2)下ゆでしたタケノコ、シイタケ、ギンナンは厚さ2〜3oに切る。
(3)サザエの殻に(1)、(2)の材料を入れてだし汁をたっぷりと注ぎ、ガス台に網を置いて弱火でゆっくりと焼く。
(4)中の具材に味が付いたら、1pぐらいに切った三つ葉を入れ、うずらの卵を落とす。半熟になったら練り塩を置いた皿に盛り付け、仕上げに粉サンショウを振って出来上がり。
 
【今月の食材ピックアップ】
タケノコ シイタケ タケノコ
タケノコ シイタケ 赤酒
プロフィール
土山憲幸 (つちやま・のりゆき)
1967年日本料理の世界に入る。2002年、赤坂プリンスホテル(現・グランドプリンスホテル赤坂)で和食の総料理長として活躍、和食の世界を極める。現在、ホテル熊本テルサ総支配人。熊本県「くまもと誘友大使」。
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