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第402号 2009年3月12日
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「“菜の花”が主役のまちおこし 休耕田の復活を賭けた挑戦」
「やつしろ菜の花部会」 岡 初義さん(八代市)
岡さんイメージ
代々続く農家の7代目。「食を支える農家の“誇り”を、次の世代を担う若者にも持ってほしい」と語る。
種イメージ 菜種油とハチミツイメージ
地元の小学生も参加する種まきは、毎年11月ごろに行われる。収穫した種を絞って菜種油を採り、残った“油かす”は、土に混ぜ込み有機肥料として活用している。 菜種油の国内産は、わずか0・05パーセントという。遺伝子組み換えのない純粋な菜種油は、ビタミンEを豊富に含む健康食。菜の花から採れるハチミツも今では希少品。
  九州新幹線鹿児島ルートでは、平成23年(2011)春の全線開業に向けて急ピッチで工事が進行中です。県内沿線では、開業を前にさまざまな取り組みが進められており、中でも「やつしろ菜の花部会」の活動が注目を集めています。八代市の農家7軒からなる有志が、沿線を菜の花で飾ろうと、同18年(2006)に活動をスタート。菜の花を利用し、「安全・安心」を柱に新たな特産品を開発するほか、地元小学校をはじめ、環境問題に取り組む団体などと連携し、活動の輪を広げています。
 イグサの生産量日本一を誇る八代市では、農耕地の9割以上を田が占めています。しかし、最近では後継者が減り、休耕田が目立つようになりました。“菜の花部会”が誕生した背景には、「空いていく田畑をなんとか食い止めたい」という地元農家の強い思いがあります。「やつしろ菜の花部会」代表を務める岡初義さんも、そんな危機感を持つ一人でした。新幹線開業を知った岡さんは、八代の農業が抱える問題を解決しようと、菜の花栽培を決意。亡き父の「菜の花ば植えた田畑は、作物のようできる」という言葉の中にそのヒントを見いだしたのです。
 目指すのは、菜の花の栽培を通じた環境保全型農業。イグサの休耕田を利用して菜の花を栽培し、環境にやさしい安全・安心な農作物を作ることです。「その第一歩に、線路沿いの休耕田を一面の菜の花畑にすれば、新幹線のお客さんが楽しむだけじゃなく、地元に立ち寄ってくれる。いつかすべての休耕田を復興できるかもしれん」と、岡さんが考えたのは11年前のこと。インターネットを通じて、菜の花で土作りをする他県の農家と知り合い、情報交換をしながら独自に菜の花を栽培。農業としての可能性を探る中で、「菜の花からは、ハチミツや油、肥料も作れる」と、その経済性の高さに確信を得るまでに、数年かかったといいます。
 「菜の花は育てる手間のいらんけん、人手不足の農家にぴったりたい。菜の花を咲かせて人を呼ぼう。新しい特産品も作ろう」と、岡さんの呼び掛けに応えた7軒の同志によって「やつしろ菜の花部会」が結成されました。放置された休耕田をよみがえらせる労力は並大抵ではありません。田を覆った雑草を取り除き、固くなった土を耕し、秋に種をまいた菜の花がようやく小さな苗に育っても、冬に雨量が多いと湿気に弱い菜の花は枯れてしまいます。本業である米・イグサ・野菜などの生産と並行して、菜の花を育てる忙しい毎日。「田畑を放置できんという農家の“誇り”が自分ば動かした。“わたしの代で農業を終わらせてたまるか”ていう思いのあるけん、頑張れるとですよ」。その努力は一年ごとに大きく実り、昨年は14ヘクタールもの土地に6百万本の菜の花が咲き誇りました。
 「菜の花を中心に、これまでの農家にない新しいネットワークをつくりたい」と語る岡さん。県内外から多くの人が参加して好評を博した「菜の花ウォークラリー」は、今年も3月20日(金・祝)に開催を決定し、奥さんたちでつくる「女性部」の支えで着々と準備が進んでいます。また、地元小学生の“種まき体験”受け入れや、菜種油を給食に提供するなど、“食育”にも力を入れ、地域全体の活力となっているのです。
 一方、菜種油の油かすを肥料にして作る“菜の花米”のブランド化に成功。酒造メーカーと提携し、“菜の花米”の酒も開発中です。さらに熊本県立大学の研究グループと、菜種油の廃油を軽油燃料(BDF)に変える研究の協力体制を築くなど、さまざまな団体とがっちりスクラムを組んでいます。このような活動が認められた「やつしろ菜の花部会」は、平成19年(2007)「やつしろ元気大賞」を受賞。「3月いっぱいは、一面に咲く菜の花が待っとりますよ。ぜひ八代に来て、春を満喫してください」という岡さんの笑顔には、真摯(しんし)に農業に向き合ってきた誠実さが溢れています。
満開の菜の花イメージ アグリビジネスフェアーイメージ
菜の花は、アブラナ科アブラナ属の花の呼称。アブラナ属には、ブロッコリーやチンゲンサイなど、なじみの野菜も多く、ビタミンCが豊富な緑黄色野菜として人気がある。 昨年「アグリビジネス創出フェア」(※)に参加した“菜の花部会”。「女性部」の活躍で連日大盛況だった。ハチミツが好評で、製菓会社からの問い合わせが殺到した。

※「アグリビジネス創出フェア」…農林水産と食品産業分野で研究された成果の実用商品化を促進する目的で開かれている。企業と研究機関の情報交換や交流の場となっている。
「やつしろ菜の花部会」の皆さんのお薦め情報
2009菜の花ウォークラリー IN やつしろ
「やつしろ菜の花部会」の皆さんのお薦め情報
八代市内を走る九州新幹線鹿児島ルート沿線の菜の花は、今見ごろを迎えています。「2009菜の花ウォークラリー IN やつしろ」は、約4.5キロメートルのコースで「散策コース」と、「クイズ形式で散策するコース」から選べます。部会のお母さんたちが菜の花米で作る「おにぎり弁当」や「地元産の菜種油」のプレゼントも用意。参加して、春を満喫しませんか。

日時 3月20日(金)
受付13:30〜、スタート14:00
参加料 中学生以上 1,500円、小学生 1,200円
(1日保険・菜の花おにぎり弁当・菜種油付き)
※3月18日(水)までに要予約、要問合せ

■やつしろ菜の花部会
TEL/FAX 0965−52−0965
電子メール aijyooka@mocha.ocn.ne.jp
HP http://blog.livedoor.jp/nanohana33/



プロフィール菜の花部会

八代市に平成18年(2006)に7軒の農家が集まって誕生。同23年(2011)に全線開通する九州新幹線鹿児島ルートの沿線を一面の菜の花で彩り、春の観光の目玉にするため、休耕田に菜の花を植え始め、現在14ヘクタールの土地で生産中。菜の花に関連する菜種油、ブランド米、ハチミツなどの新たな特産品を開発し、同19年(2007)「やつしろ元気大賞」を受賞。
【連絡先】 岡 初義
 熊本県八代市鏡町宝出57
 TEL/FAX 0965−52−0965
 電子メール aijyooka@mocha.ocn.ne.jp
 HP http://blog.livedoor.jp/nanohana787/
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