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第359号 2008年5月15日
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緑茶リキュール
フルーツの里・球磨郡錦町に隠れた名品
茶笑園
淡い黄金色が美しい。着色料などの添加物は一切使わずに、安全安心な品質にこだわっている。
煎茶 新茶の時季
地元産の煎茶を球磨焼酎に漬け込み、その風味を引き出す。じっくりと時間をかけて、緑茶本来の味わいを丸ごと楽しめるリキュールに仕上げる。 新茶の時季は、リキュール造りも旬。「新茶ならではの香りや旨味をリキュールに出せるのではないか」と中村さん。
 5月、球磨郡錦町の小高い丘の上では、整然と並んだ茶畑が新茶の季節を迎え、まぶしいほどの新緑に輝いています。桃、ナシ、アンズなど、錦町は“フルーツの里”として知られていますが、緑茶もまた特産品の一つ。寒暖の差が大きい人吉盆地の気候と霧に包まれて育った茶葉は、葉肉が厚く、鮮やかな濃緑色の煎茶(せんちゃ)に仕上がります。苦味や渋味が少なく、まろやかな甘味を味わえる逸品です。強い蒸気で葉の芯まで蒸して渋味と苦味を抑えた、濃厚な味わいの深蒸し茶や“ぐり”と呼ばれる、ぎゅっと丸まった玉緑茶で、豊かな風味を楽しめます。

 その茶葉の風味を、地元でつくる球磨焼酎に封じ込めたのが、緑茶リキュール。茶葉をそのまま使うので、うま味やほのかな渋味など緑茶本来の自然の味わいが生きています。ほんのりと甘味のある女性向きの一杯は、ストレートやオンザロックで楽しむもよし。フルーツソースのようにデザートに添えたり、スイーツの材料に加えて緑茶風味の一品に、とその楽しみ方も自由自在です。
 球磨焼酎といえば、ワインの“ボルドー”やウイスキーの“スコッチ”のように、その地名を冠することを認められた世界的ブランドの名酒。500年の伝統の技を守る杜氏(とうじ)たちの手によって、昔ながらの味わいが保たれています。まろやかなものから重厚なものまで、バラエティー豊かな球磨焼酎だからこそ、緑茶にぴったりと合い、その味わいを十分に引き出せるのでしょう。
 錦町産緑茶を使った逸品を作ろうと、町と共同で開発に携わったのは、同町「常楽酒造株式会社」の中村武利さん。さまざまなフルーツのリキュールを提供してきた同社の技術を駆使して開発しましたが、その工程は試行錯誤の連続でした。「全て手作業で焼酎に茶葉を漬け込み、エキスを抽出するのですが、お茶のようにうまくいきません。じっくりと時間をかけて漬け込んでいくと風味はよいのですが、“オリ”が生じてリキュールに濁りが出るし、酸化して色が悪くなります。どうしたら透き通ったおいしいリキュールに仕上がるのか、と頭を悩ませました」と、中村さんは開発当時を振り返ります。
 今年10月には、「第62回全国お茶まつり熊本大会」が開催されます。その中の「第62回全国茶品評会」に、錦町から緑茶6品の出品が決まり、各茶園では作業に力が入っています。人から人へ、手作りで仕上げられる緑茶リキュール、ほんのりと甘い大人の1杯を楽しんでみませんか?


【取材協力先】
常楽酒造株式会社
住所 熊本県球磨郡錦町一武2577−13
TEL 0966−38−4371

茶畑 茶摘み風景
錦町の山間部には茶畑が広がり、野鳥の鳴き声がのどかに響いていた。農道を生産者が行き交い、収穫の準備に忙しい。 若葉を手で摘み取っていく作業は昔ながらの風景だ。摘み取られた茶葉はすぐに加工されて、新茶を待ちわびる人々の元へ。
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