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第374号 2008年8月28日
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「町づくりは“祭り”じゃない。守り続けてこそ、真の活性化に
青研(荒尾市)
直売所イメージ
地元の農家から毎朝採れたての農産物が届く。これから旬を迎えるナシは特産品。手作りの農産加工品もさまざまな賞を受賞するなど、荒尾の元気が詰まった商品が並んでいる。
生産者イメージ 弥山さん
商品には作った人の名前が記されており、どんな人が作ったか分かる。人と人のつながりを感じる。 直販所の中にあるワイナリー。「もっと多くの人にワインを好きになってほしい」と弥山さん。
 荒尾市の中央商店街には、「暑かなぁ」「今日は何が入っとるかなぁ」と声を掛けながら、一人、二人とお年寄りが立ち寄っていく小さな店があります。「ほんなこつ、暑かですねぇ」と笑顔で迎えてくれるのは「青研(青空研究室)」直販所のスタッフの皆さん。地元で採れた野菜や農産加工品が並ぶ青研は、中央商店街の有志が立ち上げた昔ながらの“売店”です。
 青研を立ち上げたのは、商店街のガス屋、電気屋、写真屋、金物屋、バイク屋の5人。代表理事を務める弥山(ややま)雄一郎さんは、金物屋のあるじです。「大型店の出店が続いたことや後継者不足もあり、商店街の中には閉店に追い込まれた店舗が増えてきたんですよ。昔は、個人の店舗が連なった商店街は暮らしの中心だったばってん、大型店が商店街全体の役割を果たしてしまった。でも、大型店にはない商店街ならではの利便性もあると思うとです」。商店街がそんな苦しい状況に直面していた時に、地域再生事業の一つとして、ワイン造りの話が持ち掛けられました。「アメリカのカリフォルニア州などでは、ガレージほどの小さな空間でつくる“ガレージワイン”がはやりよるけど、まさに同じ形態。通(つう)だけでなくみんながおいしく飲めるワインを造ることに徹底的にこだわった、“青研流の町づくり”です」。

 まずはワインの勉強をゼロから始め、醸造免許を申請するために商店街の中にある空き店舗をワイナリー用に借りたのが、農産物の直売の始まりです。「免許をもらうまでの賃貸料などの経費を捻出(ねんしゅつ)しようと、ワイナリーの一角で始めた直販が、徐々に地域の皆さんに受け入れられていった。生産者に直接声を掛けて仕入れる、安全安心にこだわった“生産者の顔が見える商品”が、今では青研の看板商品なんですよ」と弥山さん。郊外にある大型店に行く交通手段や、広い店内を歩き回り商品を探すなど、お年寄りや赤ちゃんを抱いたお母さんたちには大変な労力です。しかし、青研に行けば新鮮な野菜や日用品があり、集う人たちと語らい、笑い合える楽しみもあります。「昔でいえば御用聞きのような存在ですかね。顔が見えなければ具合でも悪いんだろうかと様子をうかがったり、お年寄りの重い荷物を運ぶのを手伝ったりしますよ」。昔ながらの個人店が持つ良さを、そのまま受け継いだミニマーケットには、今も人と人とのつながりが根強く残っています。商店街ならではの商売の原点が多くの人々に支持されて、町づくりにもつながっているのです。

 直販所の運営が軌道に乗ったころにワイナリーも造られ、厳選した濃縮果汁で作る甘口のワインは、新しい荒尾名物として広く知られるようになりました。「世界中の濃縮果汁の中から“これだ”というものを探し出して、それを青研でしか味わえないおいしいワインに仕上げるのがこだわりなんです。町づくりは祭りじゃない。ずっと続けていくことが本当の町づくりだと思うんです。青研が目指しているのは、地域のみんなの“よかたまり場”ですね」。弥山さんは多くの仲間たちの支えと、待っているお客さんがいてくれるからこそ、頑張っていけると照れくさそうに笑いました。
新発売ワインイメージ ワインイメージ
7月に新発売された「カベルネソーヴィニヨン」。やや甘口の赤ワインは、女性にも飲みやすいフルーティな味。すでに完売し、10月に販売される第二弾を待つ人々も多い。 初めて作ったワインは「荒尾乃葡萄酒(あらおのぶどうしゅ)」。ワイナリーには熟成を待つ白の「荒尾乃葡萄酒」が並んでいた。徹底した温度管理でまろやかな味わいに。
弥山雄一郎さんおお薦め情報
徒歩圏内マーケット
徒歩圏内マーケット店内イメージ
「徒歩圏内マーケット」とは、お年寄りや育児世代が気軽に歩いて買い物に行けるミニマーケットのこと。荒尾市には三つの徒歩圏内マーケットがあり、「青研」もその一つです。地元の農産物や加工品から日用品までそろい、近所の皆さんが立ち寄ってはおしゃべりを楽しむ“地域のコミュニティ”として親しまれています。ワインの「青研」、おふくろの味「にんじん畑」、海の幸「ありあけの里」と個性もさまざまな手作りのマーケットです。

青研(青空研究室)
  熊本県荒尾市増永2000−15
TEL/FAX 0968−62−3446
営業時間 月〜土曜10:00〜17:00
 
まちなか研究室 にんじん畑
  熊本県荒尾市大島110
TEL/FAX 0968−68−1900
営業時間 月〜土曜10:00〜17:00
 
ありあけの里
  熊本県荒尾市蔵満564−7
TEL 080−6413−2673
営業時間 水〜日曜10:00〜17:00
 


プロフィール青研

地域再生事業の一つとして、荒尾市では「地域再生マネージャー」斎藤俊幸さんを招き、その指導のもと、平成16年(2004)5月「青研」を開設。その後商店主5人が中心となり企業組合を設立。同17年(2007)5月、ワイナリーをオープンし、荒尾ブランドのワイン作りを開始。小さな町の小さなワイナリーとして多くの人々から親しまれている。また、荒尾市初の「徒歩圏内マーケット」としても注目を集めている。
【連絡先】 熊本県荒尾市増永2000−15
 TEL/FAX 0968−62−3446
〒862−8570 熊本県熊本市水前寺6丁目18番1号 熊本県広報課
TEL(096)333−2027 FAX(096)386−2040
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