不知火(しらぬひ)海を望む水俣・芦北地域の特産品といえばタチウオ。その立って泳ぐ姿や銀色に光る長い体つきから「太刀魚」と呼ばれています。この地域の豊かな海には餌になる小魚が多いので、上質なタチウオが捕れるのでしょう。中でも、田浦漁業協同組合(葦北郡芦北町)には「田浦銀太刀(たのうらぎんだち)」と銘打ったご当地ブランドのタチウオがあり、全国有数のタチウオの産地として知られています。
9月は、タチウオに程よく脂が乗り、おいしい時季。まだまだ残暑厳しいころですので、さっぱりと仕上げたタチウオと野菜をたっぷり食べて、夏の疲れを吹き飛ばしてしまいましょう。
今月ご紹介する「太刀魚と茄子の薬味だれ」には、たれにネギやショウガ、ニンニクなどの香味野菜を盛り込んでいます。夏バテや食欲不振のときにお薦めのメニューですね。また、赤ナスはアクが少なく、中身がしっかり詰まった調理しやすいナスです。生で食べられると人気を集めている熊本特産の「ヒゴムラサキ」も赤ナスの仲間です。ナスのほかにも、白菜やカボチャ、シイタケなど、有り合わせの野菜をタチウオと一緒に蒸して、楽しんでみてください。
魚本来のおいしさを味わいたいときには、“霜降り”にするといいですよ。魚の臭みを消すために、表面が白く霜降り状になる程度に熱湯を通し、氷水に漬けて冷まします。その後、ふきんやキッチンペーパーなどでしっかりと水分を取ると、臭みのとれたおいしさを味わうことができます。
今回は、色を添えるためにパプリカを入れました。一皿に少なくとも3色は素材を使いたいですね。色を増やすことで、栄養バランスが良くなる上に、見て楽しめます。見て、食べて楽しむ一品で、食卓に華を添えてみませんか。