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第409号 2009年4月30日
当番で常時3人の伝楽人が待機。「入場料の200円はお茶代だと思って、ゆったりとくつろいで行ってください」と会長の野口さん(中央)。
小代焼の茶器でおもてなし。細川家の“九曜紋(くようのもん)”をかたどった落雁(らくがん)と季節のお菓子は、和菓子店に特注しているオリジナル。
鴨居(かもい)にあしらわれている九曜紋の装飾。部屋の随所に見られるが、150年前の当時のものは、一番奥の柱に取り付けられた1つだけ。
福岡県との県境に位置する玉名郡南関町には、細川公ゆかりの「豊前街道(ぶぜんかいどう)南関御茶屋跡」が受け継がれています。肥後藩の歴代藩主が参勤交代や領内巡視の際に、休憩・宿泊するために建てたものです。その文化財を守り、観光客を案内して楽しんでもらおうと活動しているのが、「南関宿場町伝楽人」。今年89歳になる会長の野口第三郎さんを筆頭に平均年齢は約60歳。年齢や経歴もさまざまな古里の“伝楽人たち”は“お茶屋跡”を拠点に、町おこしにつなげようとボランティア活動に力を注いでいます。
「ここには、篤姫(あつひめ)さんも立ち寄ったという記録が残っとるとですよ。27人の女中と一緒に1時間くらいの滞在だったようです。お茶ば飲んで休憩しなったとでしょうな」と語る野口さん。当時の惣庄屋(そうじょうや)の日記が発見され、嘉永6年(1853)8月30日、天璋院(てんしょういん)篤姫が昼ごろに立ち寄り休憩したという史実が明らかになり、全国から多くの篤姫ファンも訪れるようになりました。
「ここは“お茶屋”。ただガイドをするだけじゃなく、旅館や料亭のような“おもてなし”の気持ちで接客するよう、全員が心掛けています」。当初は文化財ということもあり、飲食は禁止されていましたが、“せっかくお越しいただいた方に昔の御茶屋の雰囲気を味わってもらいたい”と、町に交渉し、抹茶と和菓子を出せるようになりました。茶道をたしなむ“伝楽人”を先生に、本格的なお茶のたて方を習うことからスタート。今ではほとんどのメンバーがお茶をたてられるようになり、香り高いおいしい抹茶をふるまっています。また、せっかく南関町に来てもらったのだから、地元の窯元の焼物で楽しんでほしいと、ボランティアの各家庭に眠っている茶器を持ち寄り、小代焼(しょうだいやき)、三池焼など、趣きのある器で提供するこだわりようです。
一服した後には館内を案内し、希望により町内の見どころをガイドすることもあります。豊前街道を散策しながら、名物“南関そうめん”や“南関あげ”の製造所を訪ね、その由来やおいしい食べ方など、地元の住人ならではの知識や知恵を紹介するなど、ここにも“おもてなし”の心が生きています。
「南関宿場町伝楽人」は、自ら企画するイベントを開催したり、町主催のイベントにも参加して、南関にまつわる歴史や文化の紹介など、多くの人々に町の魅力を伝えてきました。「“南関に来て良かった”と思ってもらえたら、うれしかですね。最近では、当番それぞれが身近な情報を発信できるように“ブログ”を立ち上げて、勉強会も開いています。みんなの協力と思いがあって、よかアイデアが浮かぶ。一人一人が“伝楽人”であることを楽しんでいることが、意欲的な活動につながっとると思います」。
「豊前街道南関御茶屋跡」の“御成(おなり)の間”から見える“南関富士(大津山)”も新緑に輝く季節を迎えました。「いらっしゃい、よう来なはったですね」と“伝楽人”の元気な声は、今日も多くの観光客を迎え、南関ならではの旅をはぐくんでいます。
南関宿場町伝楽人ブログ
http://ochaya.seesaa.net/
「豊前街道南関御茶屋跡」は、建物の約7割の資材を再利用して復元。当時から残る心の字をかたどった池を配した庭園も丁寧に手入れされている。
“御茶屋跡”前の裏小路は、大人二人が通れるくらいの細い小道。いにしえに思いをはせながら、ぶらり散策するのもよい。
南関あげ丼
名物・南関あげを自家製だしで煮含め、卵でとじた「南関あげ丼」。白だしをたっぷりと吸ったふわふわのあげと、トロトロの卵のおいしさが口いっぱいに広がるお薦めの一品です。持ち帰りもできるので、お土産にもOK。380円で味わえる名物丼、ぜひ食べに来てください。
■特産品センターなんかん「いきいき村」
玉名郡南関町関町桑津留419−1
TEL 0968−53−0388
FAX 0968−53−0552
営/9:00〜19:00
休/1月1日〜4日のみ
プロフィール
南関宿場町伝楽人
平成15年(2003)、“御茶屋跡”が国の史跡に指定され、修理工事が完了した平成17年(2005)5月に「南関宿場町伝楽人」設立。「豊前街道南関御茶屋跡」の管理・運営のボランティア募集に応募した約40人で活動をスタート。「豊前街道南関御茶屋跡」を拠点に、町内の文化財案内やイベントの企画・開催など、地域の文化振興を図るボランティア活動を行っている。
【連絡先】
史跡 豊前街道南関御茶屋跡
熊本県玉名郡南関町関町1141−2
TEL/FAX 0968−53−0859
〒862−8570 熊本県熊本市水前寺6丁目18番1号 熊本県広報課
TEL(096)333−2027 FAX(096)386−2040
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