「TABOO」の名前の由来は、なんと思いつき。初ライブの時まで名前がなかったため、思いつきの言葉がそのままバンド名に。彼らのパフォーマンスに“タブー(禁句)”という言葉はありません。
グランプリを獲得した「日刊スポーツおやじバンドフェスティバル2009」のトロフィー。2度目のチャレンジにして、見事リベンジを果たしました!
休憩時間の顔とは一変し、リハーサルとなれば顔つきも真剣。声を掛け合いながら、入念に音のチェックを行います。
大音量で鳴り響くエレキギターと地響きにも似たドラムのリズム、重低音のベースがまるで波動のように会場を揺さぶります。かつて“エレキ小僧”と呼ばれた少年たちが数十年の時を越え、今や見事な“エレキおやじ”となってステージに歓声を呼び起こしているのです。
1月9日(土)、数々のバンドコンテストの全国大会で優勝を飾った熊本の“おやじバンド”が八代市に集結し、「ビッグ ウエスト セカンド」(主催:GATE21委員会)が開催されました。多くのグランプリを獲得してきた結成30周年の「ザ・ヒート」に続けとばかりに、昨年「日刊スポーツおやじバンドフェスティバル2009」のグランプリを獲得したのが平均年齢45.2歳という“元気モン5人組”の「TABOO」。
彼らが演奏するのは、70年代のブリティッシュロック。往年のハードロックバンド「ディープ・パープル」や「レインボー」などをアレンジして、迫力あるライブを展開しています。中でも「ディープ・パープル」の代表曲のひとつ「Burn(邦題:紫の炎)」は、「TABOO」にとってグランプリを受賞した勝負曲。ご本家であるデビッド・カヴァーデール(ボーカル)を彷彿させるシャウトは、ハードロック世代でなくとも自然とからだが動き出すほどの迫力です。流れる汗を飛び散らせ、こぶしを振り上げて観客をあおるときも、“おやじギャグ”がさく裂し、会場から喝さいが上がります。世代を越えて音楽とコミュニケーションを楽しむ、それこそが“おやじバンド”の真骨頂。それが彼らの最大の魅力です。
平成18年12月、ロックを愛する面々がバンドをやろうとドラムス・佐藤さん、ボーカル・福永さん、ギター・伊藤さん、ベース・濱治(はまじ)さんの4人で結成した「TABOO」。「日刊スポーツおやじバンドフェスティバル2008」に出場し、九州大会第3位を獲得。その後、キーボードに池島さんを迎えて現在の「TABOO」のスタイルが完成しました。メンバーは、自営業や会社員、公務員など仕事もバラバラで、濱治さんは大阪在住のため、5人そろって練習をすることもままなりません。スタジオでの練習は年に5、6回できればよい方だといいます。しかし、持ち前のパワーと熱いロック魂で再度同大会に挑み、ついに念願のグランプリを獲得したのです。「離れていても、電話の向こうからキーボードの音が聞こえるとですよ。ギターもベースも同じ、ボーカルは自動車の中で歌いっぱなし。集まって練習できんでもそれぞれがロックが好きで、個人練習を積み重ねてきた。その力が結束したからこそ受賞できたと思います。家族も“がんばって”と温かい言葉をかけてくれるようになりましたよ」。
熊本県内には数多くのおやじバンドがあり、さまざまなイベントやライブで仲間が増え、互いに刺激し合って元気を分け合い、さらにその元気が観客に伝わっていきます。「自分たちの音楽を聞いてもらったり、パフォーマンスを見てもらうことで、何かやりたいことが胸の中にあっても一歩踏み出せないでいる、そんな同世代のオヤジたちへの励みになればうれしいですね。いくつになっても夢はかなうんですから」と佐藤さんは語ります。
目標としているのは、優勝やグランプリをとることではなく、好きな音楽を長く、元気に仲良く続けること。「赤いちゃんちゃんこを着ても、ライブを続けていきますよ」という佐藤さんの言葉に、メンバーたちの生き生きとした笑顔が輝いています。