
蔵原さんが作るみょうが饅頭は、かわいらしい三角形。着物の襟元をイメージして包んだものだとか。JA熊本うき小川町支所内にある「すずめのおやど」で購入することもできる。
「気候や粉に含まれる水分量、練り方によって、水の配分を微妙に調整するんです。長年の感覚が染み付いているんですよ」と蔵原さん。地元産白玉粉にこだわり続けている。
蒸し上がったみょうが饅頭も、青々として美しい。蒸す時間や加減によって、葉の色さえも変化するという。おふくろの味にも職人の技が光っている。
白玉粉を使ったもう一つのお薦めは「かいどう饅頭」。カイドウの花を意匠し、ソラマメのあんを包んだピンクの生地に、カイドウの花びらの塩漬けを乗せて、ゼリーで固めた鮮やかな一品。

各地に伝わる郷土料理の達人「くまもとふるさと食の名人」に聞く、とっておきの“熊本レシピ”。今月は、白玉粉を使った郷土菓子「みょうが饅頭」です。
宇城市小川町では、古くから白玉粉の生産が盛んに行われてきました。八代平野でとれるもち米と、砂川の清らかな水から生まれる白玉粉は、純白に輝くような美しさ。冬場の冷水にさらしたものが“極上”とされ、かつて「寒(かん)ざらし」と呼ばれていました。
この白玉粉を使った料理の中でも夏の風物と言える料理が「みょうが饅頭」。田植えの終わりを祝う「早苗饗(さなぶり)」や夏祭り、お盆など地域の行事に欠かせない一品です。ミョウガの葉がとれるのが5~9月。各家庭で受け継がれてきた郷土料理は、それぞれの家庭ごとに葉の巻き方にも個性があり、オリジナルのみょうが饅頭を作るのも楽しいものです。葉の香りが、饅頭の表面からほんのりと漂うさわやかなおいしさを味わってみてください。
【レシピ】「みょうが饅頭」20個分
●材料
白玉粉 200グラム
薄力粉 100グラム
練りあん 500グラム
水 250cc
塩 3グラム
かたくり粉 適宜
ミョウガの葉 20枚
●作り方
(1)白玉粉、薄力粉、塩を入れ、水は加減しながら少しずつ入れて、耳たぶくらいの硬さになるまで、よく練り合わせる。
(2)(1)の生地を25グラム、練りあんを25グラムずつに分け、それぞれ20個作る。
(3)かたくり粉を両手に付け、生地の上にあんを置き、包み込むように生地を伸ばし、口を閉じて、形を整える。
(4)ミョウガの葉で(3)を巻いていく。
(5)(4)を蒸し器に入れ、約8分間蒸して出来上がり。

おいしく作るコツは、蒸し器を決して開けないこと。また、蒸し過ぎてしまうとミョウガの葉が赤くなるため、しっかりと時間を計って仕上げましょう。「みょうが饅頭」は小川のおふくろの味。保存は常温で翌日、冷蔵なら3日ほど。長期保存には冷凍がお薦めです。冷凍したものは自然解凍していただきます。ミョウガの葉は、ミョウガを作っている農家から分けてもらうといいですね。葉は傷みやすいので、饅頭を作る前日か当日に用意しましょう。
【お問い合わせ】
宇城地域振興局 農業普及・振興課
TEL 0964-32-0351