
野菜のうまみをそのまま味わえる「南関煮しめ」。一つのだしで次々に煮るので、野菜のうまみが溶け込んでいく。お盆や正月などには大人数分作り、来客ごとに切り分け、盛り付けて勧める。
おいしく仕上げるために欠かせない材料の一つ“結び昆布”。昆布などを結ぶときには、ゆったりと緩く結ぶのがコツ。柔らかく煮上がる。
コンニャクは下ゆでをして、深く切れ目を入れる。「ゆでた後に空炒りして水分を飛ばしておくと、だしが良くしみますよ」と、片山さん。
レンコンをすりおろして作るかき揚げやジャガイモを素揚げにして煮付けたりと、好みでアレンジするのも楽しい。
下ゆでした野菜を鶏ひき肉で包み、特産の南関あげで巻いた「鶏ひき肉の南関あげ巻き」。約10分ほど煮て作る片山さんお薦めの一品。

各地に伝わる郷土料理の達人「くまもとふるさと食の名人」に聞く、とっておきの“熊本レシピ”。今月は、玉名郡南関町に古くから伝わる「南関煮しめ」です。
厚焼き卵やかまぼこ、辛子レンコンなどを添えると、彩り良く仕上がります。また、旬を迎えた野菜をはじめ、好みでさまざまな材料にアレンジすることもできます。皆さんもぜひ、色鮮やかな「南関煮しめ」を作ってみてください。
【レシピ】「南関煮しめ」8人分
●材料
里芋 300グラム
ゴボウ 200グラム
人参 200グラム
干しシイタケ 8枚
レンコン 200グラム
かんぴょう 適宜
昆布 20センチメートル
タケノコ 200グラム
コンニャク 2枚
高野豆腐 3枚
南関あげ特大(約25cm四方) 2~3枚
サヤインゲン 適量
●調味料
だし汁(昆布、鰹節) 2カップ
シイタケの戻し汁 2カップ
しょうゆ 大さじ4
砂糖 大さじ2
みりん 大さじ1
酒 大さじ1
●作り方
(下ごしらえ)
・シイタケは4~5時間水に戻して、石づきを取る。
・昆布はしばらく水に漬け、結び昆布にする。
・レンコン、ゴボウは皮をむき、酢水に漬け、下ゆでをする。
・里芋は、7分程度ゆでる。
・コンニャクは蛇腹に切り、熱湯でゆでておく。
・高野豆腐は70度程度のお湯に漬け、落としぶたをして20分程度置く。
・南関あげは油抜きしておく。
・かんぴょうは水に戻し、二つに割いておく。
(1)調味料を鍋に入れ、シイタケと昆布を煮る。
(2)下準備した野菜の色の薄いものから、次々に煮る。
(3)油抜きした南関あげは2等分して、かんぴょうで2カ所を結び、煮る。
(4)高野豆腐は水の中で押し洗いして固く絞って、別の煮汁で煮る。
(5)さやいんげんは塩ゆでし、斜めに切る。

「南関煮しめ」は、どこの家庭でも作られていた料理で特別なものではありません。集落の集まりなどの時には、みんなで集まってにぎやかに準備をし、それを手伝いながら代々、受け継がれてきました。大皿に盛り付けるときには、向かって上部に山の幸を、下の方には海や川の幸を盛り付けていきます。下ごしらえに時間がかかりますが、しっかりと手を掛けることで、おいしく仕上がりますよ。