
「平成21年度くまもと食品科学研究会大賞」で、最優秀賞を受賞した南阿蘇ナチュラルファーム「レモンカード」。規格外の県産レモンを使った濃厚なフルーツバター。
「皮をむくことが面倒だ」と敬遠される栗をペーストに仕上げた商品。熊本県選抜品種「杉光(すぎひかり)」を使った鮮やかで品質の高い製菓用素材として、審査会で高い評価を受けた。
「くまもと食品科学研究会大賞」審査の様子。各審査員が公正に点数を付け合計点を競う。さらに点数は適正か、商品の弱点は何かなど総論を語りつつ、賞を決めていく。
「くまもとの“食”の魅力をもっと掘り起こそう」と活動している「くまもと食品科学研究会」。四季折々の農産物をそのまま市場に出すだけでなく、地元の名物グルメを作り出して広く情報を発信しようと、活動の場を広げています。
地元の農産物を使った加工品を世に送り出そうと、平成16年(2004)から同会と県産業技術センターがスクラムを組んで開催しているのが「くまもと食品科学研究会大賞」。熊本オリジナル品種の農産物を使用した商品開発で、ふるさとブランドの創生に力を入れています。ノミネートされた商品の味はもちろん、単価はどうか、市場で将来性は見込めるかなど、一つ一つ試食しては論議を戦わせ、他県に誇れる一品を選んでいきます。
どの商品も地元の特産品や熊本でしか手に入らない素材を使ったものばかり。“もっと県産品の魅力を生かすためにどうしたらよいか”と企画を詰め、県内外の消費者に喜ばれる他県にない商品を開発するための試行錯誤を繰り返しています。こうして生まれた商品には生産者と加工業者の思いがたくさん詰まっています。
今年の受賞は「南阿蘇ナチュラルファーム」より出品された「レモンカード」。地元産の安全安心なレモンをたっぷりと使った“フルーツバター”は、従来のジャムとは一味も二味も違う濃厚なミルク風味。規格外品を有効活用できる商品であることも、高く評価されました。
「受賞が商品としての魅力を高めることになり、消費者に上質な商品価値を伝えることができます。何よりも熊本の農産物を使った力のある商品が、くまもとブランドとして認知されることがうれしいですね。食品加工率を上げ、農業や食品産業が活性化することが、ひいては県の大きな魅力につながります」と同会会長の川崎貞道(さだみち)さんは語ります。
「くまもと食品科学研究会」の始まりは、平成2年(1990)。初期は、熊本大学や崇城大学などの先生を中心とした研究者の勉強会でした。その後、農業に携わる生産者や食品加工業者などさまざまな職業の人々が参加し、年に2回、産・学・官それぞれが“食”に関するさまざまな情報を提供しています。
川崎さんは、「熊本の農産物は新鮮で本当においしいものばかり。規格外の農産物を活用するためにも、新しい加工品を作って、それを県内外の消費者の皆さんへ届けることが大切。生産者と加工業者、そして消費者の誰もが喜ぶような“くまもとブランド”を作りたいですね」と熱く語ってくれました。
くまもとの“食”を見つめ、いち早く食の安全安心に関する研究に取り組んだという「くまもと食品科学研究会」。そうした情報を発信する手作りの会報誌の発行など、地道な活動は続きます。来年は20周年を迎え、生産者と加工業者、そして消費者をつなぐ新たな一歩を踏み出します。
くまもと食品科学研究会
平成2年(1990)設立。現在、個人会員61名、団体会員31名が参加。産・学・官から情報を提供する講演会をはじめ、会報誌を発行するなどの広報活動、平成16年(2004)から行っている「くまもと食品科学研究会大賞」表彰を三つの柱に活動を続けている。
【連絡先】
熊本県産業技術センター
熊本県熊本市東町3-11-38
TEL 096-368-2101
FAX 096-369-1938