

国の伝統的工芸品に指定されている「小代焼」は、400年もの間、主に荒尾・南関地域で多くつくられてきた熊本を代表する焼き物。小岱山の麓(ふもと)は良質な粘土の産地であり、細川家の御用窯として厚く保護されていたという歴史も語り継がれています。また、古墳時代のころの窯跡も発見されており、古くから盛んに焼き物が行なわれていたことが分かっています。
「小代焼 ふもと窯」の井上泰秋(いのうえたいしゅう)さんは、日本の伝統工芸士の一人。この土地で40年以上も作陶を続けています。独特の釉薬(ゆうやく)使いの作品が評価され、これまでにさまざまな賞を受賞してきた小代焼の匠です。
※釉薬とは、「上薬(うわぐすり)」ともいい、焼き物の表面にかかっているガラスのようなもの。これを塗ることで、さまざまな色を出したり、水がもれないようにしたりする。


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陶芸の道に進んだのは、泰秋さんの手先の器用さを見た中学校の先生の勧めがあったからだそうです。初めは乗り気ではなかったそうですが、実際に職人さんが作陶をしている姿を一目見て、気持ちが一変。この道に進もう!と決めたと泰秋さん。それからは、陶芸の学校に通い修行に励みます。「焼き物は自然をよく知ることが大切なんです。そのときの季節、気候によって土の状態や窯焚きの燃え方も異なります。刻々と移り変わる自然に合わせ、お客さんが求めるものをつくれるようになったとき、自分の窯を持って自分らしい作品をつくろうと決めました」。
それから40年、さまざまな評価を博しながらも、それでも“一人前”ではないと語ります。「一人前になることを目指して陶芸をしているわけではありませんからね。お客さんの“使いやすかったよ”という一言がうれしくて、陶芸を続けています」という泰秋さんの笑顔があふれています。
小代焼 ふもと窯
熊本県荒尾市府本古畑1728-1
TEL 0968-68-0456
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