TOPページ  > 12周年記念キャンペーン > 熊本スマイルイン東京 vol.2 辻遼子さん

「熊本スマイルin東京」では、4週にわたり、首都圏で活躍する熊本県出身者をご紹介しています。
第2回目は、辻遼子さん。東京都世田谷区奥沢でパティスリー(洋菓子店)を営むパティシエです。

ち着いた雰囲気が漂う住宅街の一角に、辻さんがパティシエを務めるプチフール(小菓子)専門店「PÂTISSERIE R(パティスリー エール)」はある。ショーケースに並んだ、指先でつまめる程度の大きさのプチフールたちを眺めていると、そのあまりのかわいらしさに思わず頬が緩んでくる。
熊本市生まれの辻さんは、ケーキ屋に行くことと動物が大好きな少女だった。高校卒業後、動物と触れ合う仕事がしたいと乗馬のインストラクターを目指し上京。しかし体調を崩しやむなく熊本に帰り、これから進むべき道を探りながら、母親が経営するカフェを手伝った。そこでごく簡単なケーキのレシピを教わり、作ることの楽しさにはまり込んでいく。
「作るうちに、子どものころ、よく母に連れて行ってもらった洋菓子店でケーキを前にして感じた、ドキドキするような幸福感を思い出して。動物以外に私が大好きだったもう一つのものはこれだった。よし、パティシエになろう!って決めたんです」。熊本市内の洋菓子店に就職し、修行を始めたのは25歳。パティシエとしては少々遅めのスタートだった。

「洋菓子店に就職したとき、面接で、お金が貯まったらパリに修行に行きます、と言ったんです。店長は『菓子作りの経験もないくせに、なに夢みたいなこと言ってるの』みたいな顔して聞いてましたけどね」と辻さんは笑う。店長の予想は外れ、3年後パリへ。親には「1年で帰るから」と言って旅立ったが、お菓子の本場は見るもの聞くもの全てが新鮮。学ぶことも楽しいこともたくさんあった。「ル・コルドン・ブルー パリ校」で学び、レストラン「ラ・ロトンド」やパティスリー「ピエール・エルメ」、「ルノートル」などの有名店で修行するうち、あっという間に7年近くが過ぎた。また、パリでは、フレンチの修行に来ていた後の夫・光一さんとの出会いもあった。
2009年、光一さんと共に帰国。奥沢に、光一さんがシェフ、辻さんがシェフパティシエを務めるフレンチレストラン「KOST」を開く。やがて辻さんが作るプチフールが評判になり、持ち帰りたいというお客さんが増えてきた。また、バースデーケーキなどの大物を作るには厨房が手狭だったこともあり、レストランと別にパティスリーを構えることに。2011年9月、「KOST」の近くに「PÂTISSERIE R」をオープン。それから2年、夢の結晶のようなかわいいお菓子を奥沢の人々に届けてきた。

は「PÂTISSERIE R」のパティシエ、また「KOST」のシェフパティシエとしてプチフールをはじめとした焼き菓子やキッシュなどを作る。1年前には近くに「Café tora」もオープンした。おしゃれだけれど気取りのない、温かみのある空間には、昼も夜も多くの常連さんが訪れる。辻さん自身も夜、カフェでお客さんと和気あいあいと会話する時間が楽しくて仕方ないそうだ。
辻さんが使う材料のうち、牛乳と卵は熊本からの取り寄せだ。阿蘇の「小国ジャージー牛乳」と、菊池地域の農場で放し飼いされた鶏が産む卵で作るプリンやキッシュは、濃厚でしっかりとした風味が感じられ、値は張るが、このこだわりは捨て切れないという。「PÂTISSERIE R」ではプリンとキッシュを販売、「KOST」と「Café tora」ではキッシュを提供しており、辻さんお薦めの“熊本の味”を楽しめる。
今後の夢を尋ねると、「周りの人みんなが幸せになってくれるとうれしい」。お客さまはもちろん、お店のスタッフや友人、家族、講演会で出会う小学生まで、自分と関わる人皆が幸せになってほしいそうだ。幼いころ、ケーキを目の前にして感じたような幸福感をみんなにも感じてもらいたい…。辻さんは今日も、夢と幸せを詰め込んだ小さなお菓子を作っている。

PÂTISSERIE R

http://www.r-okusawa.com/
東京都世田谷区奥沢7-10-3
TEL.03-6809-8774

Café tora

東京都世田谷区奥沢6-13-5 TEL.03-3701-3003