TOPページ  > 12周年記念キャンペーン > 熊本スマイルイン東京 vol.4 ヤマサキオサムさん

4週にわたり、首都圏で活躍する熊本県出身者をご紹介してきた「熊本スマイルin東京」。
最終週はヤマサキオサムさん。アニメの原画や脚本、絵コンテ、演出、プロデュースなど、
制作全般をこなすアニメーション監督で、日本アニメーター演出協会の副代表理事も務めています。

マサキオサムさんは天草郡五和町(現天草市)生まれ。「天草・島原の乱」の激戦地であり、家の裏山に乱で亡くなった人の墓がある場所で、歴史と自分とのつながりに思いをはせる多感な少年時代を過ごした。
後に熊本市へ転居。高校でアニメーション同好会に所属した。1962年生まれのヤマサキさんは、アニメブームの真っただ中で育った。「小さいころからアニメが大好き。片っ端から見て、教師だった親からはよく怒られましたね」とヤマサキさんは笑う。
高校1年生でアニメーターになることを決意。というのも、アニメ同好会で2年先輩だったわたなべひろしさん(アニメーション監督・演出家)が、夏休みに自分の作品を東京のアニメ制作会社に持ち込み、あっさりと就職を決めてしまったからだ。
「自分もできる。そう信じて高3の夏休みに作品を持って行ったら、あえなく却下。諦められず、卒業後に上京、働きながら、休日に制作会社に絵を持って行ってはアドバイスをもらう、という暮らしを続けました」。努力は実を結び、翌年からアニメーターとしてスタートすることになった。

初は苦しかった。新人アニメーターは月収数万円が当たり前の世界。多くがここで辞めていく。そんな中でヤマサキさんが踏みとどまれたのは、数年しかキャリアの違わない先輩の中に年収2,000万円近くを稼ぎ出す人がいる、と聞いたことが理由の一つだ。「自分もそういう人たちを目指そう」。そう心に決め、先輩の行動パターンや物の見方を聞いてまねた。24歳でOVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)「戦国奇譚妖刀伝」の企画・原案・監督を任される。この作品は多くのファンを獲得し、以後、「地球(テラ)へ・・・」や「イタズラなKiss」、「八犬伝」などの人気アニメを手掛けてきた。
「アニメの世界は職人と同じで、自分より優れた人のそばにいないと上手にならない。周囲に自分より絵がうまい人がいると落ち込んで、諦めてしまう人もいますが、優秀な人のそばで仕事ができるのはとても幸せなことだと気づいてほしい」。そう願うヤマサキさんは、後進の育成に力を入れている。
アミューズメントメディア総合学院の講師として、また、熊本県合志市で開催されたマンガ・アニメクリエーター育成プロジェクト「響創塾」などの講演で、若い人にヤマサキさんがまず教えるのは技術的なことでなく、“学習力”だ。“物の見方・考え方”といってもよい。世の中うまくいかないことの方が多い。では、できないことにぶつかった時、どうするのか。“トライ&エラー”を繰り返しながらもできるまで頑張れば、成功体験となって自分の糧となる・・・そのような仕事で成功するための基本的な考え方を、先輩として、きちんと伝えたいと思っている。

マサキさんは今、来年春全国で公開予定の「劇場版 薄桜鬼 第ニ章」を制作中だ。「薄桜鬼」は新選組を題材とした女性向けゲームを原作に、2010年にテレビシリーズがスタートした人気アニメで、劇場版はこの夏全国公開された第一章との2部作。ヤマサキさんはこの作品を、これまでのアニメ人生の集大成にしたいと考えている。
その制作現場への行き帰りによく立ち寄るのが「くまもと県物産センター」。ここでインスタントの太平燕や天草産のひじきなどを買ってお土産にする。「青空市場や阿蘇の牛乳で作ったソフトクリームもあるんですよ。故郷の味に力をもらいます」。
「熊本は、学習に対する意欲が高い土地柄。“わさもん”気質のためか、天草は日本で初めて活版印刷が行われた場所だし、熊本藩は全国に先駆けて藩校を開設している。さらには実直な“もっこす”精神も流れている。そんな熊本で生まれ育って、よかったと思います」。
最後に、これからのことを聞いてみた。「アニメーションは世界に誇れる日本の文化。いつか熊本に戻って、後進の育成をしたい。きっと、才能ある人がたくさんいるだろうから」。数年後には、熊本から多くのアニメーターたちが誕生しているかもしれない。

劇場版 薄桜鬼
公式サイト

http://www.geneonuniversal.jp/rondorobe/anime/hakuoki/
第二章は2014年3月8日(土)より公開予定

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