暮らしの道具 暮らしのごはん人吉挽物×つぼん汁

くまもとの暮らしに寄り添う、工芸品と郷土料理。
くまもとのコトを思いながら、
コトコトと上質な時間を紡ぐ豊かな暮らしを提案します。

人吉挽物古川工房

豊かな自然に恵まれた人吉・球磨地方には、挽物や指物、くり物、曲げ物など、木から生まれる伝統工芸が受け継がれています。かつて九州全域の木材が集まる集積地だったことから、この地は木工のまちとして栄えました。挽物とは、ろくろ機材を用いて木を削り、拭きうるしで仕上げる工芸品のこと。桑やケヤキなどの木目そのものの美を生かし、今もお椀やお盆、茶道具などの暮らしの道具が作られています。

人吉・球磨のクラフトが集まる「人吉クラフトパーク石野公園」に工房を構える「古川工房」の二代目・林田正晴さん。挽物師として活躍する義父・古川昭二さんを手伝ううちに、その手技と木の魅力に引き込まれたと語ります。電化製品の製造に携わっていた会社員が、飛び込んだ伝統工芸の世界。「この世界に入るのなら、好きこそ物の上手なれ。木を好きになりなさい」という義父の言葉を胸に、挽物に向き合ってきました。

挽物作りは、原木を製材して乾燥させることから始まります。その後、作品に合わせて小割して、おおよその形に成形する荒ぐりを施した木地を、さらに1年以上乾燥。ようやく仕上げ加工するまでに数年を要します。モーターの音を響かせて回転する木地に、多彩な道具を使い分けながら、精緻な曲線を作り出していく仕上げ挽き。0.1ミリのずれも許されない、まさに職人の腕が問われる瞬間です。

挽物師を志した林田さんの最初の仕事は、丸ガンナやキサゲなどの削り道具作り。使いやすい道具を職人自身が作ります。「職人気質の義父は、何も教えてくれませんから、私は傍で見たことを真似することだけ」と林田さん。試行錯誤の末にできた道具を目にした“師匠”は、「うむ」とただうなずくだけだったと笑います。「道具だけは人に渡すな」といわれるように、道具は職人の命。工房の朝は、まず道具の手入れから始まります。

林田さんの自宅には、初めて挽いたという古いお椀が眠っています。今見れば粗が見えてくるものの、当時は時間をかけて仕上げた思い出の品。今も初心を呼び起こす大切な宝ものです。「木の断面をみれば、その木の“人生”が分かる。数百年も生きた大木の年輪には圧倒されそうな力があります」。そんな木の魅力を挽物の器を通して知ってほしいと、工房では「はし作り体験」も行っています。使い続けるほどに風合いが増す人吉挽物。暮らしの中で育てていく喜びをもたらしてくれる工芸品です。

古川工房

住所
人吉市赤池原町1425-1
人吉クラフトパーク石野公園木工館
電話
0966-22-6700
営業時間
9:00~17:00
*体験メニューは要予約
休日
12月29日~1月1日

つぼん汁

人吉・球磨地方で、祝い事や祭りなどに欠かせない“晴れ”の伝統料理「つぼん汁」。里芋、ゴボウをはじめとする具だくさんの澄まし汁です。昔は深いつぼに盛り付けたことから、「つぼの汁」を指す熊本弁「つぼん汁」と呼ばれ、親しまれています。

つぼん汁のレシピ

くまもとふるさと食の名人

上村 粹子

>>熊本県地産地消サイト

材料を同じ大きさのサイコロ状に切りそろえるのがコツ。好みに合わせて、小さめに刻んでもおいしい。

煮えてきたら丁寧に灰汁(あく)を取り除きます。雑味のない透き通った汁を楽しめます。

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木のお椀は、汁物を入れても熱くならず、手に優しくなじみます。汁を飲みやすい飲み口です。

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