第342号
2008年1月17日
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県内各地でその地域ならではの自然や歴史、特産物など地域の特性を生かして、ご本人はもちろん地域全体をキラキラと輝かせ、みんなが元気で、明るくなる活動をされている方たちを連載でご紹介します。
今回は、動物との正しい接し方を啓発し、動物との触れ合いが五感を敏感にしたり、情操を豊かにすると、動物愛護の活動を進める菊池(きくち)市の「熊本県獣医師会菊池支部」の副支部長 宮川健一郎さんです。(1月10日、17日の2回シリーズ)
動物愛護から広がる活動
■動物との触れ合いで五感を磨く
動物と触れ合うことで「五感」を磨きます(本人撮影)
子どもの気持ちをとらえる(本人撮影)
竹とろうそくの幻想的な灯り(本人撮影)
動物は生きていくために鋭い「五感」を持っています。本能的に感じとって、嫌なことをする人間を避けたり、言うことをきかなかったりします。わたしは、動物との触れ合い方を学ぶことで、鈍ってきている現代の子どもたちの「五感」を磨くことができると考えています。
動物病院を開業して2〜3年目に「五感」がいかに大切かを知る出来事がありました。動物は「どこが痛い」とか「苦しい」とか言ってくれませんので、それまでは、血液検査などのデータに頼っていました。ある時停電になってしまい、検査データを見ることができず、動物の症状が何も分からなかったのです。今まで何をしてきたのだろうと反省し、それから聴診器で聞く音や動物に触れて感じることなどを重視し、検査データはその裏付けにするようにしました。同時に感性を磨くために、子どもや動物、花、景色を被写体に写真を撮り始めました。
携帯電話やゲームなどに多くの時間を費やしている子どもたちは、「五感」を十分に使っているのでしょうか。五感に響くこと、すなわち「物事を感じとる力」とは、ただ「見えている」「聞こえている」ということではなく、見たこと、聞いたことが、気持ちが良いか、悪いかを判断することができ、「自分が嫌なことは他人にとっても嫌なこと」だと気付けることだと思います。
高度経済成長期以降、核家族化が進み、おじいさんやおばあさん、近所の人たちとかかわることが少なくなってきました。兄弟姉妹の数も少なくなり、お年寄りや幼い子どもを思いやる気持ちや、周囲への感謝の気持ちを持てない子どもたちが増えているような気がします。それは、大人が教える努力をしていないからです。
合理化された人間の社会で失われつつある、「感じること」「思いやること」を動物愛護の活動を通して子どもたちに教えられたらと思っています。
■豊かな感性と思いやりの心を伝える
菊池るねさんす「サマーキャンプ」
「サマーキャンプ」で食事の支度をする子どもたち
家庭にはなくなったかまどで炊飯にチャレンジ
毎年9月に行う「動物愛護祭り」では、高校生や大学生がボランティアとして参加し、自由な発想で運営しています。彼らの企画力を引き出したり、リーダーシップを育てたりすることもイベントの目的の一つです。
高校生や大学生とかかわるうちに、もっと子どもたちに地域とのつながりを持ってもらいたいと思うようになり、昨年、命の大切さや子育て支援を考える会「NPO法人菊池るねさんす」を立ち上げました。「菊池るねさんす」は、食育や子育て支援、健康づくりに関する事業を行うことで、豊かな感性や思いやり、いたわりの心、生きる力をはぐくみ、大人も子どもも心身ともに健やかで幸せな生活を送ることのできる地域づくりにつなげることを目的としています。
具体的な活動は、読み聞かせや紙芝居、伝承料理などの調理体験、健康講座などです。中でも食育にもつながる調理体験は重要だと考えています。「食」は生きるすべです。誰かのために、いかに見栄え良くおいしい料理を作るかを工夫することは、「五感」をとても多く使います。さらに、伝統料理には先人の知恵が凝縮され、先人への畏敬(いけい)や、作物を作ってくれた農家の方への感謝の気持ちをはぐくむことができます。
動物愛護活動を進めるうえで感じることは、「人が」もっと成長しないといけないということです。わたしたち大人が自己研さんするとともに、地域の子どもたちを地域全体ではぐくんでいきたいと思います。
<宮川健一郎さんのお薦め>
*感性を磨く「音楽」
男性の中の真ん中が宮川さん
感性を磨くには芸術が一番です。絵画も良いですが、わたしは音楽が良いですね。大学生のころから男声合唱団に所属していたこともあり、今でも菊池の合唱団に所属し歌っています 。楽器を演奏するのも、聴くのも好きです。編曲も行って仲間で演奏したりしています。
●プロフィール●
熊本県獣医師会菊池支部 副支部長
熊本県獣医師会 理事
宮川獣医科医院 院長
NPO法人「菊池るねさんす」 理事長
菊池市青少年育成市民会議 副会長
菊池市文化協会 理事
菊池市音楽協会 副会長
国民会議青少年育成アドバイザー 熊本県事務局長
連絡先 宮川獣医科医院
TEL 0968−25−1239
FAX 0968−25−3840