第343号
2008年1月24日
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四季折々に、季節感や情緒あふれる郷土の祭りやイベントが、熊本県内各地で行われています。その由来をひもときながら、地域に伝わる歴史や人々の思いを盛り込んだ風物詩を連載でご紹介します。
今月は、玉名(たまな)郡長洲町(ながすまち)で、800余年の歴史を持つ四王子神社の「破魔弓祭」の中で繰り広げられる勇壮な男の裸祭り、「的ばかい」(県指定無形民俗文化財)と、金魚の日本三大産地の一つとして、金魚をモチーフに町おこしを行っている「長洲町の金魚」です。
歴史や伝統に根差した文化の継承と、新しい文化の創造を目指して町づくりや観光振興に積極的な長洲町をご紹介します。(1月10日、1月24日の2回シリーズ)
金魚の日本三大産地の一つ「長洲町」
■「泳ぐ宝石」金魚
長洲町特産の金魚
「ジャンボシシガシラ」
長洲町では、細川藩のころから金魚の飼育が始まり、今日では、日本三大産地の一つとして知られています。また、長洲町特産の金魚「ジャンボシシガシラ」は、体長が40センチメートルになるものもあり、全国の愛好者から人気を集めています。
長洲町には15軒の養魚場があり、年間およそ200万匹が出荷されています。夏の風物詩の金魚すくいは、各地の夏祭りや縁日で、子どもから大人まで親しまれていますが、九州各地の金魚すくい用の金魚の80〜90パーセントが長洲産です。4月に生産を始め、7月ごろから出荷が始まり、8月にピークを迎えます。
さまざまな種類の「高級ながす金魚」。器を持つ手(大人の男性)と比べてもその大きさが分かります
所狭しと泳ぐ金魚
(生後1年半〜2年)
手塩に掛けて育てている金魚に餌を与える松尾さん
そのほかに、特別な金魚を1〜2万匹生産しています。3〜4年間、手塩に掛けて大事に育て、24〜25センチメートルぐらいになった金魚を「高級ながす金魚」として出荷します。中でも、大正末期にシシガシラを購入後、原種との交配を繰り返し、昭和の初めに作り出された「ジャンボシシガシラ」は、「金魚の郷 長洲町」が全国に知られるきっかけにもなったのです。
長洲町で金魚の生産が盛んになったのは、この地が海の近くで、地下水に少量の塩分が含まれていたからではないかといわれています。金魚は淡水魚ですが、ごく少量の塩分が、体を細菌やウィルスから守り、病気にかかりにくくして、育てるのに都合が良かったということのようです。そういわれはじめたのは、まだここ30年ぐらいのことです。
また、金魚の生産者は高齢化が進んでいます。金魚好きな後継者が一人でも増えることを期待して、わたしたちの養魚のノウハウを伝えていきたいと、長洲町養魚組合 組合長の松尾敏之さんは話してくれました。
■金魚の水族館がある「金魚と鯉(こい)の郷広場」
金魚の水族館「金魚の館」
錦鯉や金魚が泳ぐ池
平成7年に金魚のPRと普及のためにオープンした「金魚と鯉の郷広場」。金魚とコイをテーマにした公園で、約2万平方メートルの広場に、錦鯉(にしきごい)や金魚が泳ぐ池があり、施設内の水族館「金魚の館」にも、30種類300匹以上の金魚が泳いでいます。そのほか、芝生の広場やせせらぎ川などがあり、のんびりくつろげる広場です。
水族館「金魚の館」には、四方から金魚を観察できる立柱水槽や壁水槽など約30の水槽が並び、デメキンやランチュウ、シュブンキンなどさまざまな金魚や淡水魚を見ることができます。もちろん長洲町のオリジナル金魚「ジャンボシシガシラ」もいます。ギャラリー中央の池には錦鯉が泳いでいます。金魚の系統図や育て方、病気の対処方法なども紹介してあり、本物を見ながら知識も得られるよう工夫があります。
「のこしら祭」で登場する
「金魚みこし」
この「金魚の館」の奥には、金魚みこしの展示場があり、5基の「金魚みこし」が置かれています。「金魚みこし」は、長洲町の夏祭り「のこしら祭」で、300キログラムの「金魚みこし」を20人で担ぎ、タイムを競う「金魚みこしタイムトライアルレース」に登場します。「のこしら祭」は毎年8月第4土曜日に開催されています。そのほか、5月3日、4日に「火の国長洲金魚まつり」が、10月第4日曜日に「金魚と鯉の郷まつり」が開催されます。いずれも「金魚と鯉の郷広場」で行われます。
「火の国長洲金魚まつり」は、初日の「九州金魚すくい選手権大会」が盛り上がります。おなじみの「金魚すくい」にルールを定めて競技化したもので、優勝者は全国大会へ出場できるとあって白熱した戦いが繰り広げられます。金魚の展示即売会もあります。
一方、「金魚と鯉の郷まつり」では、金魚愛好家や養殖業者が手塩にかけて育てた金魚と錦鯉の品評会が行われます。普通、金魚は24〜25センチメートルに育つのが限度ですが、長洲町には30センチメートル以上の金魚が数多く出品されます。大きさに加え、形や色が評価されます。下半身が安定し、泳ぎが安定した金魚が良い金魚です。尾っぽが偏ったり曲がったりしてはいけません。左右に偏りなくツンとし、ゆらゆらと美しくなびかせて泳ぐ金魚が高く評価されます。
「泳ぐ宝石」金魚。これからも、長洲町では、さまざまな工夫を凝らした金魚による町おこしが進められていきます。
◆「長洲町の金魚」に関するお問い合わせ先◆
長洲町役場 産業振興課
TEL 0968−78−3111(内線261)
FAX 0968−78−1092
ホームページ
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金魚の館
TEL/FAX 0968−78−3866