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第318号
2007年8月2日
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週刊連載記事 あの街この村から 地域で頑張る「元気モン!」
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週刊連載記事 あの街この村から地域で頑張る「元気モン!」
 県内各地でその地域ならではの自然や歴史、特産物など地域の特性を生かして、ご本人はもちろん地域全体をキラキラと輝かせ、みんなが元気で、明るくなる活動をされている方たちを連載でご紹介します。
 今回は、阿蘇郡(あそぐん)南阿蘇村(みなみあそむら)で夫とともに無農薬米の栽培や畜産などの農業を営むかたわら、阿蘇の草資源をエネルギーに利用するNPO法人を運営している、九州バイオマスフォーラム理事長の大津愛梨(おおつえり)さんです。(7月26日、8月2日の2回シリーズ)

地域の人と力を合わせて、明るい農村づくり
■食料だけでなく、エネルギーも生産
ちょうちんの灯りはバイオディーセル燃料で発電
バイオディーゼル燃料をつくるプラント(機械)
 3年前、地域の夏祭りで使う照明などの電気は、使用済みの天ぷら油から造った燃料で発電しました。阿蘇の草原に生えるススキや生ごみなどの身近な資源を有効に活用しようと立ち上げた「NPO法人九州バイオマス(※)フォーラム」の活動の一つとして、地元の人にも理解していただくとともに、活動がみんなのためになればと考えたからです。
 地区の人たちが持ち寄った使用済みの天ぷら油を、汚れを取って粘度を下げる機械に入れると、6時間ほどでバイオディーゼル燃料と呼ばれる軽油の代替燃料ができます。それを発電機に使い、屋台のちょうちんを灯しました。祭りが終わって片付けを済ませ、慰労会を行う間、この燃料は辺りを明るく照らし続けてくれました。
 その後、地域の青壮年部が中心となって、この活動を引き継ぎ、昨年と一昨年もバイオディーゼル燃料で祭りの電力を賄いました。設立当初から力を入れてきた勉強会やシンポジウムによる啓発活動に加え、夏祭りのような地域での活動が評価され、2007年度は農林水産省の「地域バイオマス発見活用事業」に選ばれました。そこで、地元のテレビ局とタイアップし、今年の秋から、天ぷら油をバイオディーゼル燃料に変えるプラントをトラックに積んで各地域の祭りに出掛けて行き、発電燃料を作ることになりました。
景観も美しく、環境も保全する菜の花畑
 また、南阿蘇村では、食用として安全な菜の花の種を植えて栽培し、地元産の菜種油を消費し、使用済み油を回収して、公用車の燃料として使う「菜の花プロジェクト」も計画しています。このプロジェクトは滋賀県が発祥の地で、全国各地で取り組みが始まっています。美しい自然を守るために、また、菜の花畑の景観を観光資源の一つとするため、地域の農家で積極的に取り組んでいきたいです。


エネルギー源となる阿蘇の草原のススキ
ススキを利用してエネルギーを賄う実験を行っている阿蘇市営温水プール
 阿蘇に来て、イギリスやオランダなどではエネルギー作物として栽培されているススキが、自然にたくさん生えていることに感動しました。ところが、活用される野草が減り、草原が年々少なくなっていることも知りました。阿蘇の草原は、大切な観光資源であると同時に、草原が減ったら、そこに住む動物のすみかも無くなってしまいます。
 「NPO九州バイオマスフォーラム」は、草の利用を増やすため、さまざまな活動をしています。ススキで家を建てたり、飼料として販売したり、灰をうわぐすりにして焼き物を焼いたりしました。草からエネルギーを得る実験もしています。ススキを蒸し焼きにして可燃ガスを取り出し、阿蘇市営温水プールの電力と熱を賄おうというものです。この実験はNEDO(※)の委託事業として阿蘇市が主体となってやっているもので、日本で初めての試みです。これが成功すれば、河川敷の草も利用できることになります。3月に完成したプラントが5月から稼動し始め、現在も実験が続いています。
 草原は元々農家が管理していたものですが、高齢化や有畜農家の減少で管理しきれなくなった草原をNPOの活動によって利活用することができればと思っています。そしてこれが新たな産業となり、地元農家にも利益が出るようにすることが今後の目標です。私たちが営むオーツーファームの発展も大事ですが、1軒の農家では実現できないことをNPOの活動として取り組もうとしています。今はまだ、どちらも発展途上ですが、2足のわらじを履きながら、農業や農村の素晴らしさを伝えていければと思っています。

※バイオマス・・・木や草、生ごみや家畜の排せつ物などの生物資源のこと。
※NEDO(ネド)・・・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization)の略称。NEDO技術開発機構とも略称します。日本の産業技術とエネルギー・環境技術の研究開発およびその普及を推進する、わが国最大規模の研究開発実施機関です。


■自分たちも楽しみながら、農村の魅力を伝える
近所の若い仲間とホームパーティー
ビーチバレーボールならぬ「田んバ」
 広大な景色や澄んだ空気、きれいな水やあちこちに咲く野の花、こんな自然に囲まれて、おいしいものを作れる農業はとても楽しいです。雨が降ったら休みで、満員電車での通勤もなく、残業や出張もないですしね。いつも家族と一緒にいて仕事ができることがとても幸せです。
 こうした身近な自然や農業の楽しさを大切にしていきたいという思いから「南阿蘇ランドアートクラブ」というサークルをつくりました。ランドアートとは「山や川など自然環境の中で周囲の風景を生かしながら木や石などの自然素材を使って表現する芸術」と定義されていますが、わたしたちは身近にあるものを使い、手間を楽しんで、仲間と交流しています。地元陶芸家の指導を受けながら土鈴を焼いたり、竹で半円状のドームを作ったり、鶏の羽で「鶏マント」を作ったりしました。また、おかずを持ち寄りシェーカーを使ってカクテルを楽しむ飲み会、シーツをスクリーン代わりにした映画鑑賞、切り出した竹を使ったそうめん流しなども行いました。水を張った田んぼにアイガモの柵用のネットを張り、ビーチバレーボールを模した田んぼバレーバール、通称「田んバ」も地元で注目を集めています。
 「農業=たいへん」ではなく、工夫次第でこんなに楽しいんだということを発信していきたいです。農業現場は機械での作業も増え、昔に比べたら時間がつくれるようになりました。自分たちも楽しみながら農村という素晴らしい空間をアピールできるような活動を続けていきたいと思います。
阿蘇五岳を望む素晴らしい風景の中に広がる大津さんの田んぼ
 将来は、叔父が育てているあか牛も産地直販したいと夢は次々に広がります。農業をすることで、阿蘇の美しい田園風景や農村文化が維持されます。地元の仲間やこれから農業を継いで行く若い世代の人たちが、楽しく農業を行えるよう、そして、消費者には、消費するだけでなく生産地の素晴らしさを知ってもらえるような情報を発信していきたいと思います。


 
 <大津愛梨さんのお薦め>
*ススキの家
「NPO法人九州バイオマスフォーラム」では、「草を活用することが草原保全につながる」という考えから、南阿蘇村所有の土地を借り、ススキなど阿蘇の野草を圧縮してブロックにしたものを積み上げ、その外側に阿蘇の黄土を塗り土壁にした「ストローベイル(わらブロック)ハウス」を造りました。普通は、わらを使うのですが、ススキはわらより腐りにくく強度があります。作業は一般募集をし、延べ約150人の方が参加され、約一年がかりで完成しました。阿蘇の自然と多くの人の協力でできた味のある「究極のエコロジーハウス」をぜひ一度見に来てください。

◇お問い合わせ先:NPO法人九州バイオマスフォーラム

TEL 0967−35−1128
FAX 0967−35−1151
E-mail     kbf@aso.ne.jp
ホームページ  http://kbf.sub.jp/outline.htm

    

●プロフィール●
オーツーファーム

NPO法人九州バイオマスフォーラム 理事長
熊本県ECO燃料推進委員会 副会長


連絡先 オーツーファーム
TEL/FAX 0967−62−3730
E−mail   O2Farm@aso.ne.jp
ホームぺージ http://www.aso.ne.jp/~reisi/