熊本弁がなんともユーモアで、陽気な「おてもやん」。そのルーツははっきりしていませんが、作者は三味線と踊りの師匠「永田イネ」という熊本に実在した女性だったといわれています。唄の中には「春日ぼうぶら」という言葉が入っていますが、これは春日のかぼちゃの意味。春日とは地名のことで、現在のJR熊本駅周辺(熊本市春日)をいいます。今では熊本の玄関口として、人の行き来も盛んですが、昔はかぼちゃ畑が広がるのどかな所だったようです。
この唄は幕末以降につくられたと考えられており、お座敷唄として歌われていたようです。
今ではこの「おてもやん」のメロディーは、熊本の夏まつり「火の国まつり」のメインイベント「おてもやん総踊り」で流れており、祭りを盛り上げています。
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●おてもやん像 |
唄の主人公「おてもやん」の性格は、その歌詞から想像できます。まず、嫁入りしたこと自体が大変なニュースになってしまうほどの人気者、美人ではないが愛きょう良しなどなど。ちなみに名前は「ても」で、「やん」は敬称です。
熊本市の中心地(交通センター)に「おてもやん」の銅像があり、陽気な姿で道行く人々を見守っています。
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●熊本の民謡「おてもやん」 |
おてもやん
あんたこの頃嫁入りしたではないかいな
嫁入りしたこた したばってん
ご亭(て)どんが
ぐじゃっぺだるけん
まぁだ盃ゃせんだった
村役(むらやく)鳶役(とびやく)肝(きも)いりどん
あん人たちの居(お)らすけんで
あとはどうなときゃぁなろたい
川端町(かわばたまち)つぁん きゃぁめぐろ
春日ほうぶらどんたちゃ
尻ひっぴゃぁて 花ざかり花ざかり
ピーチクパーチクひばりの子
ゲンバクなすびのイガイガどん
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< 標準語訳 >
おてもさんよ、あんたはついさき頃、お嫁にいったというじゃないか。
うん、嫁入りしたことはしたんだけど、
相手の男性の顔があまり好みではなかったので、
まだ固めの盃はしてないのよ。
村のおえら方や、鳶の頭
そういう村の斡旋役の方々がおられるんだから、
あとのことは何とかなるでしょう。
川端町のほうを、ぐるっと回っていくと
春日名産のかぼちゃの花が(夏になると尻を並べてゴロゴロとなるかぼちゃの、その花が)畑いっぱいに、今をさかりと咲いている。
空には雲雀がピーチクパーチクとさえずっていて、その下の畑では、
あまり品質のよくない、えぐい茄子がなっている。
あの男性も、そんな「えぐなすび」みたいで―――。
参考:「口訳 日本民謡集」(蒼洋社)
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おてもやん像 |
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唄に登場する春日周辺(現在の熊本駅周辺) |
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●熊本弁ワンポイント講座
ちょっと早口で、独特なイントネーション、でもどこか愛らしい熊本弁。ここにご紹介する代表的な熊本弁を覚えて、熊本の旅を楽しんでみませんか!?
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むしゃんよかー ・・ |
かっこいい |
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せからしか ・・・・・・ |
やかましい・面倒くさい |
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たいぎゃあ ・・・・・・ |
とても |
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むぞらしか ・・・・・・ |
かわいい |
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とつけむにゃあ ・・ |
とんでもない・どえらい |
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あとぜき ・・・・・・・・ |
戸を閉める |
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うーばんぎゃー ・・ |
いいかげん |
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なおす ・・・・・・・・・ |
片づける・整理する |
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はってく ・・・・・・・・ |
行くこと |
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はるかく ・・・・・・・・ |
怒る |
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ほうがくもにゃあ ・ |
とんでもない・途方もない |
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くたびるる ・・・・・・ |
疲れる・古くなる |
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うったまがる ・・・・ |
びっくり仰天・第一級の驚き |
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とっとっと ・・・・・・・ |
残す・手もとに持っている |
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すーすーすー ・・・ |
肌寒い・風通しがいい |
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