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県庁ってなんばしよっと課な?

 熊本県庁各課の業務内容などについて紹介するコーナーです。
現在取り組んでいる事業や課題などについて担当課長にインタビューしたものを、隔週でご紹介します。
 
「歴史公園鞠智城(きくちじょう)」ってどんなところ?

 
●今回は、歴史公園鞠智城について、これまで調査と整備に携わってこられた県立装飾古墳館の大田幸博館長に伺いました。

鞠智城とは、どのようなお城だったのですか。

灰塚から見た鞠智城内

灰塚から見た鞠智城内
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 鞠智城は、天智天皇2(663)年、朝鮮半島の白村江(はくすきのえ)の戦いに敗れた大和(やまと)政権が、唐(とう)・新羅(しらぎ)の侵攻に備え、国を守るために築いた朝鮮式山城(ちょうせんしき さんじょう)の一つです。『続日本紀(しょくにほんぎ)』文武天皇2(698)年5月の条の「大宰府をして大野・基肄(きい)・鞠智の三城を繕治せしむ」を皮切りに、『文徳実録』『三代実録』など、国が編纂した『六国史』に記載されています。日本史に特筆される古代山城は、最初の国家プロジェクトで、歴史的にも由緒正しい遺跡です。
 県では、昭和42年度から、この鞠智城跡の発掘調査を始め、これまでに28回の発掘調査を実施するとともに、この鞠智城を、「全国有数の重要遺跡」と位置付け、平成6年度に策定した『県総合計画』に基づき国営公園化を前提としながら「歴史公園」として整備を進めてきました。


これまでの発掘調査で、どんなことが分かってきたのですか。

 まず、謎とされていた城の範囲が明らかになりました。鞠智城の城域は、総面積55ヘクタールで、例えていいますと、福岡にあるヤフードーム8個分の広さがありますから、とても壮大であったことが分かります。
米倉(左)と八角形鼓楼

米倉(左)と八角形建物(鼓楼)
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 また、発掘調査では、多くのものが見つかっています。その中で、もっとも注目を集めたのが、国内の古代山城では初めての八角形建物跡の発見です。八角形建物は、中国にルーツがありますが、その建築技術が伝わった韓国の二聖(イーソン)山城からも見つかっています。このことから、鞠智城が、海を渡る広域的な古代文化圏にあったことが明らかになりました。さらに、地面に掘った穴に柱を立てた掘立柱(ほったてばしら)建物跡や、石を柱の土台にした礎石(そせき)建物跡が、72棟も見つかりました。
 また、鞠智城の南側にある、深迫門跡(ふかさこもんあと)や堀切門跡(ほりきりもんあと)、池の尾門跡(いけのおもんあと)の築造方法も解明され、防御施設の土塁の造り方も分かりました。さらに、これも国内の古代山城では初めての発見となる貯水池跡や貯木場跡が発見されました。特に、貯水池跡から「秦人忍米五斗(はたひとのおしこめごと)」と記された木簡(もっかん)(木製の荷札)が見つかったことで、城の近くに渡来人の秦人(はたひと)一族が住んでいたことが明らかになり、鞠智城の歴史的価値をより一層高めました。これは、文字資料が少ない古代を解明するうえで貴重な歴史資料となるものです。今後さらに予定している貯水池跡の調査に、より一層の期待が寄せられています。
 鞠智城は、国内の古代山城の中で最も調査が進んでいる史跡で、こうした成果が認められ、平成16年2月27日に国指定史跡となりました。


鞠智城では平成6年度に策定した『県総合計画』に基づき建物跡の復元など、整備が進んでいるとのことですが、どのような施設ができているのですか。

 平成6年度の用地購入から始まり、平成11年度の「くまもと未来国体」に向けて、八角形鼓楼(はちかっけいころう)・米倉(こめぐら)・兵舎の3棟の復元建物を建設。平成12年度からは、林野庁補助事業で武器庫を復元し、平成14年度までに長者山(ちょうじゃやま)展望休憩所、灰塚展望デッキ、木製散策路を整備しました。
ガイダンス施設「温故創生館」

ガイダンス施設「温故創生館」
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 平成14年4月にオープンした温故創生館(おんこそうせいかん)は歴史公園のガイダンス施設で、今年でオープン5周年を迎えます。「温故」は「調査研究」、「創生」は「整備による利活用」を意味します。この温故創生館では、鞠智城跡に関する調査研究のほか、保存および利活用のための史跡整備、展示や映像による解説や国内の古代山城の紹介、各種イベントの実施、毎月1回の「館長講座」を開催しています。さらに、平成17年度からは、文化庁の補助を受けて、南側土塁線、西側土塁線周辺の園路整備を進めています。
 歴史公園鞠智城を訪れる人は毎年10万人を超えており、これまでの総数は100万人近くになります。


県では、鞠智城跡の国営公園化を目指しているそうですね。

整備された鞠智城内の園路

整備された鞠智城内の園路
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 はい、国営公園は、都市公園法に定められた公園などで、国が設置するものです。国営公園には、一つの都府県の区域を超えるような広域の見地から国が設置するイ号公園と、国家的な事業として、または、わが国固有の優れた文化的資産の保存および活用を図るために国が設置するロ号公園の2つの種類があり、前者は、「国営明石海峡公園」や「国営アルプスあづみの公園」など、全国に11カ所、後者は、「国営沖縄記念公園」や「国営吉野ヶ里歴史公園」など5カ所にあります。
 鞠智城跡は、この「ロ号国営公園」としての必要条件を既に満たしており、その実現に向け、県民を挙げて取り組んでいこうと考えているところです。


国営公園としての必要条件を満たしているとのことですが、具体的に教えてください。
 
 まず、第1点は、鞠智城跡が持つ非常に高い歴史的価値です。7世紀の後半、日本史上初めての国家プロジェクトで築城され、国が直轄した、国営の防衛施設の一つでした。このことが当時の国書に記されています。
 第2点は、立地面での利点です。ほかの古代山城が標高400メートル以上の山地にあるのに対して、鞠智城は、140メートル〜170メートルの小高い丘に築かれています。立地面で唯一、大型バスで、城内に乗りつけられる大きな利点があります。
 第3点は、国営公園としての体裁です。鞠智城は、用地の公有化が進み、国内の古代山城では、最も、調査と整備が進んでいることで知られています。


なぜ、鞠智城跡の国営公園化を目指すのですか。

 鞠智城は、当時の東アジア地域の国際関係の中で建設された外交史的にも価値ある城であり、国が主体的に整備すべき価値が十分にあると思います。
 また、阿蘇外輪山に源を発し、菊池市〜山鹿市〜和水町(なごみまち)〜玉名市を経て有明海に注ぐ菊池川流域のルートは、『日本書紀』に記された景行天皇の巡幸順路と重なり、この地域には、古代から中世にかけて、はぐくまれた数多くの歴史遺産があります。鞠智城跡は、まさに、このルート上にあります。
 平成23年に九州新幹線が全線開業しますとその効果が最大限に生かされます。新玉名駅から、車で約50分で鞠智城へ行くことができ、鞠智城を拠点に、周辺の歴史遺産を取り込む修学旅行のコースができます。これらの地区では、既に、国指定史跡の古墳が整備され、公園化されています。県立装飾古墳館もあります。
 玉名市では、全国で初めての整備となる「ドーム型の覆屋(おおいや)を持つ」国指定史跡の永安寺西古墳も、より注目を浴びるでしょう。菊池市でも、菊池氏一族関係の遺跡が、一層世間に周知されるでしょう。こうしたことは、熊本県の観光振興に大いに寄与するものと思われます。そのためにも、鞠智城跡の国営公園化が必要なのです。
 さらに、国営公園になりますと、国によるしっかりとした業務管理の下で、さらなる復元建物の建設や利便施設などのより一層の充実が望めます。それは、熊本県が長年にわたり取り組んできた整備事業が、大きく実を結ぶことを意味します。菊池川流域の関係市町の活性化は、この鞠智城跡の国営公園化にかかっているともいえるでしょう。
 関係当局の話では、「整備の段階で欠けているものは無いが、地元の盛り上がりと、知名度のアップが必要」とのことです。県としては、その実現に向け、県民の皆さんと一丸となって取り組み、頑張っていきたいと考えています。どうか、県民の皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。


 観光振興、地域振興のためにも鞠智城跡の国営公園化はぜひ必要であることがよく分かりました。ありがとうございました。


お問い合わせ先:
 熊本県立装飾古墳館
TEL 0968−36−2151
FAX 0968−36−2120
ホームページ http://www.kofunkan.pref.kumamoto.jp

 歴史公園鞠智城・温故創生館
TEL 0968−48−3178
FAX 0968−48−3697
ホームページ http://www.kofunkan.pref.kumamoto.jp/kikuchijo/




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