●今回は、建築課の中尾憲征課長にお話を伺いました。
建築課は、その名のとおり建物関係のお仕事なのですか?
そうですね、建物というよりも衣食住の中の“住”を担っている課と考えていただければ、分かりやすいと思います。「住まい」はもちろん、職場やホテル、スーパーマーケット、デパート、駅など、すべての建物に関する指導や監督を行っています。建物は土地に定着しますので、その土地が安全かどうかなどについて調べるのも業務の一つです。
また、建物を売るときに、正しい価格で売却されているか、建物として長く使えるかどうかなど、不動産に関する業務もしています。
アートポリスや建築物のユニバーサルデザイン化も建築課のお仕事だとお聞きしましたが?
 |
| 砥用町林業総合センター |
熊本県では、16年前に『くまもとアートポリス』という事業を起こし、建築分野においても環境問題にいち早く取り組んでいます。これは、もともと25年ぐらいで建て直してきていた建物の寿命を、50年、100年、200年と長く有効に使っていこう、そうすることで資源を蓄積し、リサイクル社会、循環型社会にしていこうということで取り組んでいる事業なのです。
もう一つは、建築物のユニバーサルデザインへの配慮です。少子・高齢化が進む中で、改築の必要のない、誰もが使い勝手の良いものをつくっていこうと考えています。最初からこのような配慮がなされた建物を造ると、後で手すりやスロープを付けるなどの改良をしなくてもいいわけですからね。地球環境からわたしたちの生活環境までを踏まえた建物となるようにしていかねばと思っています。
アートポリス事業は先進的な事業なんですね。
 |
九州新幹線新八代駅前
モニュメント「きらり」 |
今66件あるくまもとアートポリス参加施設は、建物を造っては壊していくのではなく、良いものはストックしていくことを前提に考えています。JR上熊本駅の駅舎なども保存の話が出ていますが、その土地に根付いた建物がそこに文化をつくっていくものであってほしいと思っています。自分たちが育ってきたまちはそのまま自分たちの子どもたちの時代まで伝えていきたいものです。建ててからが始まりなのです。
アートポリスの根底も同じです。「あー、あのときの建物がまだ残っている、懐かしいな」と県民の皆さんに思っていただいたり、県外の方から「熊本の建物は美しいですね」と言っていただいたりするとうれしいし、アートポリスの建物以外もそう言っていただくのが最終的な目的です。わたしたちがアートポリスで手掛けるものはわずかですが、県内のたくさんの建物をそういう気持ちで造り使っていただくと、ますます建物が生きてくると思います。建物の中に初めから優しさをつくり、使いやすくすることで長く利用していこうという意味では、アートポリスもユニバーサルデザインも同じ目的なのです。
今回『くまもとアートポリス2004とユニバーサルデザイン展』が開催されますね。
アートポリスやユニバーサルデザインを取り入れた多くの建物を紹介し、建築文化やまちづくりへの関心を高めてもらいたいと開催することになりました。
まず、プレイベントとして、9月28日(火)〜10月3日(日)に東京の銀座熊本館で、パネルや映像での紹介や、荒尾・玉名地区の窯元によって作られたユニバーサルデザインを取り入れた陶器を展示します。
そして、メインイベントとして、11月25日(木)〜28日(日)に、くまもと県民交流館パレア(熊本市手取本町)を中心に、くまもとアートポリスに関する講演会やシンポジウム、パネル展、ユニバーサルデザインに関するシンポジウムや製品展などを開催します。
また、10月〜11月には、くまもとアートポリス参加施設やユニバーサルデザインで整備された建物を見学していただく「見学ツアー」や「県政ふれあい教室」なども実施します。このほかにもさまざまな関連イベントを予定しています。
建物は、快適さが第一です。使う(住む)人の心と体が快適であれば、それは良い建物といえます。それを提供できるよう、わたしたちも努力しています。ぜひ多くの方に『くまもとアートポリス2004とユニバーサルデザイン展』に参加していただき、熊本県の取り組みを知っていただければと思います。
くまもとアートポリスは世界的にも注目を浴びる取り組みだと伺いました。暮らしやすいまちづくりについて考えさせられました。今日はありがとうございました。 |