熊本県庁各課の業務内容などについて紹介するコーナーです。
現在取り組んでいる事業や課題などについて担当課長にインタビューしたものを、隔週でご紹介します。
●今回は、農業団体金融課の上村 忠課長にお話を伺いました。
(取材日:平成16年3月24日)
「農業団体金融課」という名の課は全国でも非常に珍しく、熊本にだけしかない課だとお聞きしましたが、どういう仕事をする課なのですか?
熊本県は農業が基幹産業ですが、天候や景気に左右されやすいため、農業を担う農家は経営が不安定で、いろいろな支援体制が欠かせません。私たちの課の仕事は、その支援を行うこと、“農家の縁の下の力持ち”的な仕事を行うことです。その名のとおり農業者への資金の融資はもちろん、県内の卸売市場の検査・指導や地場農産物の加工販売の推進、農業協同組合の検査、農協の事業改革や健全経営に関する助言・指導などを行っています。
■農業団体金融課は
”農家の縁の下の力持ち”的な存在
農家のアドバイザー的な仕事ということですね。具体的にはどんなことをしているのでしょうか?
まず融資制度としては、農業者がビニールハウスや畜舎などを造ったり、トラクターを買うときの資金の融資、そして農業負債の整理のための融資、台風や異常気象などの災害にあったときの災害対策用の融資などがあります。鳥インフルエンザや牛海綿状脳症(うしかいめんじょうのうしょう)(BSE)が問題になっていますが、これらによる経営悪化の場合にも、災害対策資金に準じた形で融資を用意しています。
農産加工グループへの支援では、アドバイザーの派遣や催事への出店支援、農産加工食品コンクールの開催などを行っています。
ほかに農業共済制度というものがありますが、これは台風や水害などの自然災害をはじめとする農作物などの被害時に、農家の経済的損失を保険の仕組みにより補てんし、農業経営の安定を図ろうというものです。これは熊本県農業共済組合によって運営され、私たちはこの共済組合の業務や会計・運営についての検査・指導を行っています。
昨年度は農業に関連した話題がたくさんありましたが、その中で特に積極的に取り組まれたことはどんなことですか?
まず、農業協同組合いわゆる農協(JA)の大きな改革です。農協の組合員離れによって、その在り方自体が問題になってきています。このため、各農協が身近な農協としてよりきめ細かな活動を行おうと、営農事業の重点化や農協の合併が進められています。具体的には、昭和60年4月に全国で4,242だったJAが現在911になり、熊本県でも132だった農協が17に再編されています。
また、最近ではなんといっても大分県で発生した鳥インフルエンザですね。本県の一部も移動制限区域の半径30キロメートル以内に含まれ、養鶏農家の経営再建のための融資対策に、取り組んでいるところです。幸い短期間で制限が解除になったので、今回はほっとしました。しかし鳥インフルエンザはその後も各地で発生しており、いつどこで発生するか非常に不確定なものです。養鶏農家の不安を考えれば、何らかの対策が必要ではないかと痛感しています。もちろん、鳥インフルエンザだけでなく、さまざまな場合に応じた危機管理が必要ですので、きちんとした制度的なものを作っていかなければいけません。今後取り組むべき課題と思います。
そうですね、農業を取り巻く環境はますます厳しくなってきていますが、今後の課題は何ですか?
最近は、“作る”から、消費者が“食べる”ところにまで、農家は責任を持って農業をやっていく時代と考えています。
先ほども言いましたように、鳥インフルエンザやBSEによって『食の安全』が叫ばれていますが、安全や環境対策に要する資金融資に前向きに取り組んでいきたいと思っています。
また、平成16年度は “安心安全で売れる農作物づくり”を目標に、農家・食品加工業者への支援を活発に行う予定です。具体的には、地場農産物の加工を行っている農村の女性への融資に「地産地消農産加工等推進資金」というのがあるんですが、これを農村の女性だけでなく一般の女性にも融資するよう対象を拡大します。また、増加している食品の残りかすを肥料として活用する食品リサイクル関連事業にも取り組んでいきます。また、農家の経済的安定を目指して、物産館や販売所などと連携し、農家と企業を結ぶ橋渡しの役もやっていきたいと思っています。
本日は勉強になりました。ありがとうございました。
※農業団体金融課長は、平成16年度の人事異動により、児玉邦秋になりました。
(問)農業団体金融課
TEL 096−383−1111(内線5332)
FAX 096−381−8515
URL
http://www.pref.kumamoto.jp/construction/section/indx.asp?sec_code=49&sec_seq=2
Eメール
noudankin@pref.kumamoto.lg.jp