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Jump Up! Kumamoto 2017
正代直也「前に、前に、進む」
#01 私の相撲道の礎は熊本にあり

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「Jump Up! Kumamoto 2017」スペシャル企画第二弾は、相撲界で若手注目株として活躍する正代関の登場です。ふるさと・宇土市と熊本の魅力について語ってくれました。

正代 直也

1991年、宇土市生まれ。小学1年生の頃に相撲を始め、中学・高校の相撲部では全国レベルで活躍。東京農業大学に進学し、2年生の時には学生横綱に輝く。卒業後、時津風部屋に入門。初土俵から17場所で関脇に昇進(史上2位タイの速さ)するなど、その勢いが注目されている。

熊本は、全国でも有数の相撲が盛んな土地柄

 「気になる!くまもと」読者の皆さん、こんにちは。正代直也です。今回から3回にわたり、私が感じる熊本の魅力についてお伝えしていきます。よろしくお願いします。

 第一回目の今回は、相撲と熊本の話をしたいと思います。私が生まれ育ったのは、熊本市の南にある宇土市です。子どもの頃は、湧水地として有名な「轟水源」をプール代わりにして遊んでいたのを覚えています。きょうだいは姉と弟がいますが、ごはんが大好きだったおかげか、私だけが体が大きく育ちました。そんな私を相撲の道に誘ってくれたのが、「宇土少年相撲クラブ」の監督です。

 実は、熊本県は相撲が盛んな土地柄です。全国でも5本の指に入るのではないでしょうか。熊本の中でも阿蘇や八代、芦北など相撲が強い地域がいくつかあって、宇土もその一つです。偶然、その宇土に生まれ育ったことが、今につながっているんですね。

 私が宇土少年相撲クラブで相撲を始めたのは、小学校1年生の頃です。当時は相撲がどのようなスポーツかよく分かっていなかったので、誘われるがままに始めたと思います。稽古は週3日ありました。同級生たちはサッカーや野球などハイカラなスポーツを始めて、私も気になりはしましたが(笑)、不思議と「相撲をやめたい」とは思いませんでした。やめる理由がなかったというのが正直な気持ちですが、小学校高学年になり県大会で優勝できたりと、苦しい稽古の中でも勝負の楽しさが少しずつ身に染みてきていたのかもしれません。

「宇土少年相撲クラブ」は40年近く続く伝統あるクラブチームで、現在は5~12歳の子どもたち30名弱が在籍。正代関の相撲の歴史はここから始まった。

宇土市は熊本市の南に隣接する緑豊かなベッドタウンで、商工業が盛ん。有明海に面していて「日本の夕陽百選」に選定された御興来(おこしき)海岸は有名な絶景スポット。

大相撲への道筋が、熊本で自然と開けていった

 その後、相撲部が強い宇土市立鶴城中学校、そして熊本県立熊本農業高等学校へと進学しました。相撲はやっぱりしんどい世界です。進学の節目節目で「相撲をやめる」という選択肢もありはしましたが、これまで積み重ねて来たものを考えると、とても手放す気にはなれませんでした。

 中高と休みなく稽古に励む日々でしたが、特に印象深かったのは高校時代。私は農業高校の畜産科に所属していて、牛や豚、鶏など校内の家畜のお世話をする「当番」の期間というものがありました。その間は大忙しです。早朝に学校に行って餌やりや小屋の掃除をし、授業に出て、放課後も動物のお世話をした後で稽古です。土曜日も当番はやって来ますので、その日は朝練、当番、稽古、当番と行ったり来たり。でも、動物と触れ合うことが自分に合っていたのか、忙しくても苦ではありませんでした。学校で口にした産みたての卵や搾りたての牛乳のおいしさは、今でも忘れられません。農業県・熊本の恵みを体感できる、いい高校生活だったと思います。

 稽古が格段に厳しくなった高校時代は、ひたすら前へ行く相撲の姿勢の基礎を教えてもらったように思います。大学進学後にさらに「前へ行く相撲」に磨きをかけ、それは今の私の相撲道にもつながっています。勝っても負けても、決して後ろに引かず、勝負に向き合い続ける。それだけはずっと守り続けています。

 相撲が根付いた土地に生まれ、相撲が強い学校への道筋が開けて、稽古に専念できる環境が自然と整っていった熊本時代。「相撲の道に進むなら、応援するのみ」とサポートしてくれる両親・家族をはじめ、支えてくれる人も大勢います。力士を目指す人にとって、熊本はとても恵まれた場所なのかもしれません。

高校時代、正代関が所属していた相撲部。正代関の同級生で熊本農業高校の教師である、片山大誠(たいせい)さんが監督を務め、後輩たちは今も毎日練習に励んでいる。

熊本農業高校畜産科の牛舎。生後間もない子牛や妊娠中の牝牛など、世話の方法はさまざま。朝夕、生徒たちが当番で動物たちの世話を毎日行う。