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Jump Up! Kumamoto 2017
小山薫堂の“情談”
#02 「FOR KUMAMOTO PROJECT」

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小山 薫堂

1964年6月23日天草市生まれ。高校まで熊本で過ごし、大学進学で上京。日大芸術学部放送学科時代にラジオ局でアルバイトを始め、大学在籍中に放送作家としてデビュー。主なテレビ番組の代表作に、「料理の鉄人」「世界遺産」「カノッサの屈辱」「トリセツ」など。映画脚本を手掛けた「おくりびと」は、第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞。現在は、放送作家、脚本家、ラジオパーソナリティ、京都造形芸術大学副学長として活躍するほか、エッセイなどの著作、企画プロデュースやアドバイザーの仕事も数多く手掛けている。

熊本地震をチャンスに!未来を変える!

 小山さんは、熊本地震の後、さまざな人に声を掛けて、地震で被災された方の緊急支援と復興支援に貢献することを目的とした任意団体「くまモン募金箱実行委員会」を設立し、熊本の子どもたちのための募金を募っています。そして、集まった支援金を子どもたちのために最良の方法で活用することを目的としたプロジェクトを実施する「FOR KUMAMOTO PROJECT」を立ち上げ、これまでにさまざまな活動を実施してきました。代表的な活動は、“地震があったからこそ”と思えるような特別な体験プログラムを提供する『くまモン夢学校』。その現場に、密着して話を聞きました。

 「FOR KUMAMOTO PROJECT」は、「苦しい時こそチャンスが転がっていて、未来の成功につながりやすい」ということを子どもたちに教えたい、という思いで立ち上げました。きっかけは、大学で教鞭をとっていた時期に、嵐のメンバーたちと始めた東日本震災の復興イベント「ワクワク学校」で子どもたちに触れ合ったことでした。大学では学生たちに企画について教えていたのですが、「大学生から教えても遅いな」と感じていたんです。もっと、若い、小・中学生のうちからどんな感性で生きるか、どんな視点を持って大人になるのかを教えたい。もちろん、大学で学ぶことにも意味はあるけど、もっと人間のベースを築く若いうちにチャンスを掴む感性や視点を作っておけば、子どもたちの未来は変わる。そう思っていた時に「ワクワク学校」で子どもたちと触れ合い、教育の面白さを実感。小学校の先生たちをもっと応援したいと思っていました。

 そんな時、熊本地震が起こりました。言い方は悪いかもしれませんが、素直に、「チャンスだ!」と、思いました。通常、その分野で一流の人たちに、「熊本の子どもたちのために熊本で教えてもらえませんか?」とお願いしても、「なぜ?」ってなるところが、「震災復興のため」ということになると皆さん心を寄せてくれて、快く来てもらえる。なので、チャンスだな、やるしかない!と(笑)  熊本地震で被災した子どもたちに、地震を乗り越え、“地震があったからこそ体験できる特別な経験”を通して夢や希望と出会い、夢を叶える方法を学んでもらえば、子どもたちの未来も、熊本の未来も広がると思ったんです。そこで、募金を集め、一流の人たちに声を掛け、特別な体験プログラムを提供するする「くまモン夢学校」を実施することにしました。

熊本からプロのダンサーが誕生するかもしれない

 「くまモン夢学校」は、アスリート、ミュージシャン、クリエイターなどさまざまなジャンルの一流の人たちを先生として熊本に招き、子どもたちが普段体験できないようなこと体験できるコンテンツを提供しています。これまでに、タレントのコロッケ氏による「笑顔の授業」、ジャーナリストの堀潤氏による「伝える授業」などを開催。そして「伝える授業」に参加した子どもたちで「くまモン記者団」を発足し、熊本の“いま”を伝える取材をするなど、広がりをみせています。

 そんな中、昨年12月に第4回目の「くまモン夢学校 ~くまモンダンス部 プロジェクト~』が開催されました。今回の先生は、なんと、EXILEのパフォーマー黒木啓司氏と、熊本県出身でもあるNESMITH氏。子どもたちのダンス部を結成し、ダンスを練習して3月に開催する「くまモン誕生祭」で、黒木氏とNESMITH氏と同じステージに立つ、というプログラムに、約180人の応募がありました。当選した70人は、EXILEの「Rising Sun」を二人の先生からみっちりと教えてもらった後、約3カ月間の各自練習と数回の合同練習を経て、3月10日に『くまモン誕生祭』の当日を迎えました。

 今の僕があるきっかけは、小学校の先生が「小山君は作文が上手いね」って褒めてくれたことでした。それで、「将来は文章を書く仕事をするかもしれないな」って、思ってたりしました。でも、それって小学校の国語の先生レベルの話でしょ。黒木くんやNESMITHから「ダンス上手いね、プロになれるよ」なんて言われたら、その言葉は子どもたちにとって大きな“希望の種”になると思うんです。

 この「くまモン夢学校」は、時間が経てば経つほど、その価値が膨らんでくるんじゃないかなという気がするんですよね。最初はただのイベントっぽく見えたりとか、やらなければならないからやってるように見えがちなんですけど、時間が経ったときに「くまモン夢学校」によって“人生最良の分岐点”になったということが、分かるんじゃないかと。今の時点ではまだ、どれだけの“人生最良の分岐点”を与えられたかは分かりませんが、今日のこのダンス部のダンスを見て、この中から一人だけじゃなく、何人かのプロダンサーが誕生するんじゃないのかなと思うぐらい、とても素晴らしいと感じました。これまで、今やっていることが子どもたちのためになっているのかな?何かの役になっているのかな?と、不安になることもありましたが、今日のステージと、子どもたちのまなざしを見て、今後「くまモン夢学校」を続けていく上での、私たちの自身に繋がりました。

 熊本の大人も、彼らが生き生きと元気に踊る姿を見て、地震によっていろいろな気付きをもらったことを改めて感じたのではないんでしょうか。そして、この地震を笑って振り返ることができる日がくればいいなと思います。僕自身も、真剣なまなざしと夢に向かう子どもたちの姿に力をもらいました。そして、たくさんの夢を持っている子どもたちを正直うらやましいと感じました。だから、子どもたちのためにやっているようで、結果自分のためにやっているのかもしれませんね。

 ダンスを見た後、小山さんは、子どもたちと同じようなキラキラとした目で語ってくれました。熊本の子どもたちにも、大人たちにも、そして小山さんにも、希望に満ちた未来が訪れています。