くまモンの熊本弁のたび
#03 下村婦人会
球磨郡湯前町

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知られざるくまもとの魅力を探して、県内各地をくまモンがぶらり旅。今回は、湯前町で戦後から地元産の加工品を作り続けている婦人会を紹介するモン★

熊本県の南部にある湯前町は、「くま川鉄道」の終着駅がある場所。駅がある国道から田園の中へと入った先に、「下村婦人会」の加工所があります。向かって左手の工場が加工所、正面が直売所です。「市房漬 」をはじめとした漬物やみそなどがここで作られ、販売されています。

Profile

下村婦人会

昭和25年(1950年)、戦後の混乱期で貧しかった農村の婦人たちが互いに支え合い、現金収入を得る手段を得て自立するため、湯前町下村地区の医師の妻だった山北幸 初代会長によって発足しました。当初はニンジンやダイコンなどの野菜をリヤカーで売っていましたが、助言を得て野菜をみそ漬けに加工し「市房漬」として販売を始めると、それが好評となり広まりました。昭和39年(1964年)には当時としては画期的な商標登録を行い、食の安全や地産地消にこだわった食品作り、女性が活躍する職場など、時代を先んじた活動を昭和中期から取り組んでいました。昭和46年(1971年)に市房漬が家庭向け総合生活雑誌『暮らしの手帖』で紹介されると、全国から注文が入るほどの人気となり、さまざまなメディアでも取り上げられることに。商品がさまざまな賞を受賞するなど各方面から高い評価を得ています。平成10年には農業法人化。現在は13名のスタッフで、約24種類の漬物や加工品を製造、販売しています。

初代会長 山北幸さんについてはこちら

山北幸物語

のどかな田園の中にある「下村婦人会」にお邪魔しました。直売所店内には、球磨地域の食材で作られた漬物や加工品がズラリと並んでいます。この工場と直売所は、平成8年(1996年)に建てられました。

出迎えてくれたのは、三代目会長・池田タメ子さん(写真左)と、この6月に四代目会長となった福屋真貴子さん(写真右)です。「まずは、うちの漬物ば食べてみんね」と、試食をたくさん用意してくれました。

ニンジンやダイコンのみそ漬け「市房漬」をはじめ、柴漬けや柚子胡椒 、みそ、昔ながらの保存食「柚餅子 」や「ほしみそ」、ピクルスやマーマレードまで、お母さんたちの手作りの味がそろいます。昔ながらの製法のものから、トレンドを取り入れた商品まで、会員たちが経験とアイデアを持ち寄って開発したものばかり。最近は、核家族化や個食の増加に合わせて、ミニサイズの漬物パックなども開発しているそうです。

「安全であること、ごまかしのないこと、味が良いこと、価格が妥当であること」。初代会長の山北幸が掲げたこの理念を守りながら、今も昔も安全・安心で無添加の食べ物を手作りしています。この信念から、昭和40年代に全国に販売に出たときも、試食をして納得いただいてから購入いただくスタイルを取っていました。今は当たり前になった試食販売の走りでもあったと思います。

私たちの商品作りの根本が、球磨産のダイコン・ニンジン・キュウリ・ショウガをみそ漬けした「市房漬」と、それを漬けた手作りのみそです。「野菜に付加価値をつける」ために、山北初代会長の住まいであった山北医院の軒の下にを並べたのが、そのはじまりでした。平成20年(2008年)には、「地域食品ブランド表示基準 本場の本物」認定を受けるなど、多方面で評価いただいています。

これは「きりしぐれ」という商品です。市房漬を紹介してくれた『暮らしの手帖』の花森編集長から、「市房漬の切れ端はどうしているのですか?」と尋ねられたのをきっかけに、切れ端の上手な活用法を考え生まれたものです。「年配の方は漬物を洗うのも切るのもおっくうで、かみ切るのも大変」などのニーズを考えた結果、市房漬の切れ端をみじん切りにし、しその実などで風味付けをして「きりしぐれ」が生まれました。ふりかけのようにご飯にかけたりして、年配の方も子どもも食べやすい漬物で、ロングセラー商品の1つです。このことをきっかけに、「これは誰に食べてもらうものか」「もったいないをなくす」を考えた商品開発を行うようになりました。

隣接の加工所をのぞくと、この日はしその葉の加工で大忙し。一枚一枚手作業で茎から葉をちぎっていきます。このしそたちが梅干しや漬物などさまざまな商品へと使われます。この地道で丁寧な作業があってこそ、安全・安心なおいしさが生まれるのですね。

「下村婦人会」の商品はこの直売所で買えるほか、地元スーパーや物産館、熊本市内の百貨店や農産物販売所などでも販売されています。さらに、月に数回は県庁で試食販売やお弁当販売も行うなど、各地でフットワークの軽い活動をしています。
今後は、みそづくりワークショップや漬物を使ったアレンジ料理教室など、「体験」を重視したイベントにも力を入れていくそうです。

くまモン、「おちゃまんしましょうか?」

熊本弁クイズ!

「おちゃまんしましょうか?」の
意味はどっち?

正しいと思う方を押そう!

不正解…
大正解!

続きはモン題に答えてから!

最近は食の安全に加えて、『』や『発酵食品』が体にいいとして再評価されてきていて、「下村婦人会」の商品も注目されているのだそう。「塩分控えめのみそや漬物もつくって、健康志向が高い方へのニーズにも応えているんですよ」と池田さん。

直売所には、お母さんたちが漬けた梅干しや砂糖漬け、果実酒も並んでいました。身にも心にも染みる、素朴な手作りの食べ物のおいしさ、五感で体感できました。

Data

下村婦人会

  • 熊本県球磨郡湯前町下村3116-3
  • 電話番号:0966-43-3827
  • 直売所営業時間:8:30〜17:00
  • 定休日:日曜
Official Website

湯前町といえば「マンガの町」! 湯前駅近くにある「湯前マンガ美術館」には、同町出身の風刺漫画家・那須良輔 さんの作品が展示されています。年6回ほどマンガの企画展が開催されるほか、「那須良輔風刺漫画大賞」の作品も募集しています(今年度は9月15日締切)。

Data

湯前まんが美術館(湯前町中央公民館)

  • 熊本県球磨郡湯前町1834-1
  • 電話番号:0966-43-2050
  • 開館時間:9:30~17:00
  • 定休日:年末年始(12月28日~1月3日)
  • 入館料:一般・大学・高校生300円、小学生・中学生100円
    小学生未満 無料
    障がい者手帳をお持ちの方は本人と付き添いの方1名まで無料
Official Website

せっかくなので美術館と湯前駅の間にある広場「レールウィング」に足を運びましょう。2017年10月に「湯前まんが図書館」と「ユノカフェ」ガオープンしたほか、マルシェなどのイベントも開催される注目のスポットです。

「湯前まんが図書館」には、寄付された漫画本3,500冊がそろいます。入館無料で何時間でも漫画を読めるという、うれしいスポット! 1日中いられそう…! 家に眠る不要なマンガ本も随時受け付け中だそうです。

Data

湯前まんが図書館

  • 熊本県球磨郡湯前町1822
  • 電話番号:0966-43-4888
  • 開館時間:9:00~17:00
  • 定休日:年末年始(12月28日~1月3日)
  • 入館料:無料

図書館の隣にある「ユノカフェ」では、湯前町の食材を使ったカフェメニューを楽しめます。写真左は、「下村婦人会」とコラボしたメニュー「柚子胡椒ツナマヨピザ」。まろやかなツナマヨとピリリとした手作り柚子胡椒の風味がベストマッチ! 右は地元の肉屋さんと共同開発した「ユノバーガー」(土・日曜、祝日限定)。肉汁がジューシーなパテがたまりません!

Data

ユノカフェ

  • 熊本県球磨郡湯前町1822-4
  • 電話番号:0966-43-4888
  • 営業時間:10:00~16:00(OS15:30)
  • 定休日:火・木曜