これ食べなきゃソン!
くまもとローカルフード

#09 山鹿羊羹[山鹿市]

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くまもとの各地には、自然や文化、風土が育てた個性豊かなローカルフードがいっぱい。そこに暮らす人たちが愛してやまないコアな味を地元人がご紹介。第9回は、「山鹿灯籠踊り保存会」の上田奈実さんと高田万由子さんが、郷土のお菓子を紹介します。

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今回のローカルフード案内人

山鹿灯籠踊り保存会
左/上田奈実さん
右/高田万由子さん

毎年8月15日・16日に開催されている「山鹿灯籠まつり」。浴衣姿の女性たちが和紙とだけで作られた灯籠を頭に乗せ優美に踊る「千人灯籠踊り」が祭りのハイライト。その灯籠踊りを保存、継承している団体が「山鹿灯籠踊り保存会」。全国や海外からの出演依頼も多く、週2回の練習を行いながら、山鹿灯籠踊りを多くの人に披露しています。

山鹿灯籠まつり
山鹿灯籠踊り保存会

皆さん、こんにちは!
私たちは、山鹿灯籠踊り保存会のメンバーです。
ここは、私たちが定期公演で踊りを披露している「八千代座」です。

明治43年(1910)に建設された芝居小屋で、
国重要文化財の指定を受けています。
ここでは「八千代座物語~山鹿灯籠踊り定期公演~」として
芝居小屋の見学と山鹿灯籠踊り鑑賞がセットになったプログラムもあります。
ぜひお立ち寄りいただきたいですね。

今日はこの八千代座からスタートして、
山鹿の郷土のお菓子「山鹿羊羹」を紹介します♪

八千代座の近辺には風情ある建物が立ち並んでいて、
土産物店や喫茶ができる店も多く、散策するにも楽しい界隈です。

山鹿羊羹は、界隈の土産物店などにも売ってある山鹿名物です。
八千代座のすぐ近くの桟敷茶屋さんの店先で、発見!

お茶ば入れてやるけん、食べていくね?

山鹿羊羹の店は山鹿市内に3店舗あるけど、うちに置いとるとは、
「老舗 上村屋」さんのもの。
ここの山鹿羊羹が元祖らしかもんね。
ちょっと塩気のあるあんこが山鹿のお茶によく合うとたい。

ネーミングから通常は羊羹を想像しがちだけど、
山鹿羊羹は皮であんこを巻いた細長いお団子……。

どうして“山鹿羊羹”というんだろうね。
とりあえず、いただきま~す!

※お土産物として販売されている山鹿羊羹を特別に店内で実食させていただきました。

確かに!塩気が利いていて、塩大福みたいな上品な甘さ。
お茶に合うのも分かる!
なぜ“山鹿羊羹”というのか……その真相に迫るため、
老舗 上村屋さんの店舗に行ってみよう!

老舗 上村屋

さっそく、「上村屋」さんにやって来ました。

いらっしゃいませ。
工場長の江上です。

山鹿羊羹の元祖が、上村屋さんだと聞いてやってきました。

はい、そうなんです。この店は私の従兄が三代目として後を継いでいるのですが、
その従兄の祖母が山鹿羊羹の産みの親です。

もともとは家庭で作っていたおやつだったようです。
米の粉を蒸して作った団子を薄く伸ばして棒状のあんこを2本巻いた細長い団子で、ござをくるくるっと巻いたような形状から
“ござ巻き団子”とも呼ばれていたようです。

紙とペンで説明するとこんな感じ。
紙が団子、ペンがあんこを表しています。
両サイドからくるくると巻いていたそうです。

その団子を戦後間もない頃、
山鹿灯籠まつりの神輿を担ぐ若い衆に振る舞っていたところ、とても評判が良く、
若い衆からの「ばあちゃん、おいしかけん山鹿の名物にせんね」という声で、
団子屋を開いたのが始まりです。

昔はあんこがもう少し固かったので、
棒状のあんこを“練り羊羹”と見立て、
「山鹿羊羹」と名付けたそうです。

今では、うちも含め3店舗が山鹿羊羹を作っていて、
山鹿名物として親しまれています。

上村屋の山鹿羊羹の特徴は、
なんといっても塩気のあるあんこ。

これは、かつての若い衆たちが愛した“ばあちゃんの味”です。
常連のお客さまからも
「後を引かないすっきりとした甘さ」
と定評をいただいており、かたくなに守り継いでいます。

山鹿市内の土産物店や物産館、スーパーなどでも購入できますが、
できれば午前中に、この店に来ていただきたいですね。
出来立ては皮が長~く伸びるほど軟らかく、
格別なんですよ。

正午まで作っていますので、タイミングが合えば
出来立てをお買い求めいただくことができます。

わぁ、伸び~る出来立て、ぜひ食べてみたい!
今度は午前中に伺います!

熊本屋

続いてやって来たのは、
山鹿灯籠まつりで灯籠を奉納される神社としても知られる「大宮神社」の
目と鼻の先にある…

「熊本屋」さんです。

こんにちは。
どうぞ、うちの山鹿羊羹、食べてみてください。

薄めの皮で、あんこもさらりとしてて、あっさり~♪
これは、いくつでも食べられそう!

昔はもっと甘いあんこだったのですが、
お客さまからの声もあり、主人の代になった時に甘さを控えめにしました。
そのまま食べるのもおいしいのですが、
表面をフライパンで
少し焼いて食べるのもおいしいですよ。

また、冷凍可能なので、
クール便で遠方に発送することもできるんです。

お土産として発送される観光客の方もいらっしゃいますし、
海外の知人や親戚に送られるお客さまもいらっしゃいます。
海外でも楽しんでいただいていると思うと、とてもうれしいですね。

国内外に発送できる山鹿名物、
ぜひ多くの人に食べてもらいたいな!

だるま餅屋

最後にやってきたのは、「だるま餅屋」さんです。

山鹿温泉「さくら湯」から歩いて約3分のところにあります。

わぁ、ここの山鹿羊羹は種類が豊富!

白色だけでなく、緑色や、ピンク色の山鹿羊羹や、贈答用の箱入りも!

ご試食どうぞ~。

まずは、スタンダードの白から。
なんだか、他の店舗よりも皮が厚めですね。

うちの山鹿羊羹は、皮が特徴です。
皮に餅粉を混ぜて、
もちもちの食感にこだわっています。

ホントだ!もっちもち!
しっかりとした食べ応えがありますね。

次は、緑色の抹茶をどうぞ。
山鹿地域のお茶の産地・岳間の抹茶を
練り込んでいます。

後からお茶の風味が広がりますね。

最後は、ピンク色の桜味、さぁどうぞ。
近くの「さくら湯」にちなんで作ったんですよ。

桜餅みたい!

時代ごとに味覚のニーズが変わっていくので、
それに合わせたいろいろな味があってもよいのかなと思い、
抹茶と桜を作りました。
昨年はイチゴを乗せた、イチゴ大福感覚の商品も店頭限定で販売をしました。
山鹿は栗も有名なので、栗を使った商品なども作ってみたいなと思っています。

あんこに刻んだ栗を混ぜるとおいしそう!

また、これから大人になっていく地元の中学生に
どのような商品があったらいいと思うか、尋ねてみたところ、
チョコやカスタードといった意見もありました。
山鹿はお茶だけでなく、果物や野菜も豊富。
山鹿羊羹という伝統的なお菓子を守りつつ、
地元の素材などを生かして
若い人のニーズに合った商品作りも
試みていきたいと思っています。

これから季節ごとに新しい商品に出合えそうで楽しみです♪
ごちそうさまでした!

左から老舗 上村屋 378円、熊本屋 330円、だるま餅屋 378円
※全て5個入り

3店舗それぞれに味も食感も違うので、
ぜひ自分好みの山鹿羊羹を見つけてくださいね♪

Data

老舗 上村屋

  • 熊本県山鹿市中222-6
  • 電話番号:0968-43-3516
  • 営業時間:7:30~19:00
  • 定休日:木曜

Data

熊本屋

  • 熊本県山鹿市山鹿243
  • 電話番号:0968-44-2259
  • 営業時間:7:00~19:00
  • 定休日:月曜

Data

だるま餅屋

  • 熊本県山鹿市昭和町304
  • 電話番号:0968-43-3412
  • 営業時間:8:00~18:00
  • 定休日:水曜

山鹿では、2月の毎週金・土曜に
「山鹿灯籠浪漫・百華百彩」が開催されます。

竹あかりや和傘の明かりのオブジェがまちを彩る冬の風物詩です。
八千代座では、山鹿灯籠踊りや山鹿太鼓の披露も。ぜひ、お越しください。

山鹿灯籠浪漫・百華百彩

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もう一つのおすすめ
「自家焙煎 タオ珈琲」

もう1つのおすすめは、八千代座のある豊前街道沿いにある、趣のあるコーヒー専門店「自家焙煎 タオ珈琲」です。オーナーこだわりの自家焙煎のコーヒーは、苦みや酸味、コクのバランスがよく、スッキリとした味わい。

また、この店は焼き立てパイも人気。いろいろな種類のパイがありますが、中でもアップルパイがおすすめです。サクッとしたパイ生地は、バターの香り豊か。もちろん、コーヒーとの相性は抜群です!ぜひ、山鹿散策の途中で立ち寄ってみてください。

自家焙煎 タオ珈琲

  • 熊本県山鹿市山鹿1465
  • 電話番号:0968-44-8558
  • 営業時間:10:00~23:00
    (金・土曜は〜24:00、日曜は〜21:00)
  • 定休日:なし
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