おさんぽねこのくまもとルポルタージュ
#07 玉名市 天水・横島編

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のんびり、ゆったり、お散歩好きの猫たちが行く、わがまま気ままな熊本の旅。
なんでもない風景も猫ならではの目線にしてみると、いろんなことが見えてくる。
ほんわか、元気な熊本の今を“おさんぽねこ”がレポートします。

どこか懐かしい風景が広がる町

ちょっと肌寒い、秋の気配を感じながらのんびりお散歩。今日は玉名市天水町へ。くねくねした山道を抜けたら、どこか懐かしいミカン畑が広がっているよ。地震でちょっと崩れた畑もあったけど、今はほとんど元通り。ミカンも順調に育っていて、色づき始めているね。収穫したミカンは、この細いレールを使って運ぶんだって。人間の考えることはおもしろいニャ。

石積みとミカンに囲まれ、気分は小説家♪

ふらっと入った小道に、先人たちが一つ一つ手で築き上げた立派な石積みが。どんな風に積んだんだろう。坂道をてくてくと歩きながら考える。昔、夏目漱石が歩いたときも、同じだったのかな。のどかな風景を眺めていたら、なんだか新しい物語が思い付きそうだニャ。

メモ

草枕の道」は、夏目漱石がかつて熊本に住んでいた時、熊本市内から小天温泉へ向かうために歩いたとされる道です。のちに漱石が執筆した小説「草枕」のモデルになったことから、その名前が付いています。10月に入るとミカンが色づき、さらに美しい風景が広がります。

玉名を一望できる絶景スポット

小高い山を登ると、その先にお友達!?違った、キツネだったニャ―。遊び場の先には、見晴らしのいい展望台があったよ。向こう側にうっすら見えるのは長崎の普賢岳かな。見晴らしもいいし、風も気持ちいいし、気分爽快。やっぱり高いところはいいニャッ!

晴れた日には、玉名地域と有明海、普賢岳や宇土半島まで眺めることができる「実山展望公園」へ。季節によって桜やツツジ、アジサイなどきれいな花が咲き誇ります。遊具や広い芝生スペースがあるので、子どもたちが遊ぶのにもピッタリです。

秋の実りを支える名水をゴックン♪

山を下りたら、ちょっと喉が渇いた。水が飲める場所を探していたら、水くみ場に着いたよ。「あまり知られていないけど、おいしい水が出る穴場スポットなんだよ」。そういいながら、おじちゃんが水を分けてくれた。冷たくてとってもおいしいニャ!この湧き水が天水町を流れる尾田川に流れ込み、地域の田畑を潤しているんだって。

メモ

平成20年に環境省より「平成の名水百選」に選ばれた「尾田の丸池」。田畑に囲まれた湧水地で、周辺は整備され公園になっています。こんこんと湧き出るおいしい水を求めて、県外から訪れる人も多い穴場スポットです。

貫録たっぷり!石造りの堤防

有明海に向かって続く田園風景を楽しんでいると、不思議な物体を発見。よく見ると、水の調整をするための堤防だった。加藤清正公の時代に造られたものなんだって。どうりで、どっしりとした石造りが貫録あるニャ。熊本地震でも大きな被害はなく、今も現役。さっきの実山展望公園から見えた平野は、この堤防のおかげでつくられたんだって。素晴らしいね!

メモ

石で造られた堤防、“石塘”は、加藤清正公が始めた玉名横島の干拓事業の一環で造られました。天正17年(1589年)に着工しましたが、潮止めに手こずり、完成に17年もの歳月を費やしたそうです。この干拓事業により、およそ800ヘクタールもの土地が開拓され、現在も農地として活用されています。

せっかくだから聞いてみよう。「君の名は?」

街中を抜けてふらっと入ったお家。昔ながらのお風呂場やお部屋を見学したよ。やっぱり畳でゴロゴロは最高だニャー。んっ?誰かいる!!
「吾輩は・・・夏目漱石である」。
そんな声が聞こえた気がするよ。ここできっと数々の 名作を考えたんだろうな。

ここは小天の名門・前田家の別邸で、夏目漱石が小天温泉を訪れた際に宿泊した家。この地域特有の段差の多い敷地に建っていて、当時は複雑な造りの屋敷だったそうです。小説「草枕」で描かれている「那古井の宿」は、漱石がこの別邸に滞在した実体験から生まれたといわれています。現在、建物の一部は公開されていて、誰でも見学することができます。

絶景を眺めながら、温泉でほっこり!

ネコジャラシだニャ!思わず飛びついたその先に「草枕温泉てんすい」があったよ。温泉があって、熊本地震の時は、断水でお風呂に入れない人たちが大勢やってきたんだって。今日も大勢のお客さんでにぎわっていたよ。毎日来るおばちゃんがおすすめする時間帯は、夕暮れ時。温泉に浸かりながら夕日に染まった絶景が見られるんだって!それはまた来ないといけないニャ!

小高い丘の上にある「草枕温泉てんすい」は温泉施設にお土産・食事処を併設するレジャー施設。露天風呂や展望デッキからは、ミカン畑や有明海、長崎の島原半島を望むことができ、夕暮れ時にはミカン色に染まった絶景が広がります。