おさんぽねこのくまもとルポルタージュ
#12 益城町編

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のんびり、ゆったり、お散歩好きの猫たちが行く、わがまま気ままな熊本の旅。
なんでもない風景も猫ならではの目線にしてみると、いろんなことが見えてくる。
ほんわか、元気な熊本の今を“おさんぽねこ”がレポートします。

地震から2度目の春を迎える益城町

だんだん暖かくなってきて、過ごしやすくなってきたニャ。ぽかぽか陽気に誘われて、今日は益城町へお散歩。役場や体育館、道路とあちこちでいろんな工事が行われていたよ。この町ではとても大きな地震があって、お家や建物がたくさん被害にあったんだ。だからその復旧工事が進められているんだね。でも今はほとんどがさら地で、崩れているお家はあんまり見かけなかったよ。いくつかの空き地にはプレハブ小屋が建っていて、お店を営業している所もあったニャ。

メモ

平成28年熊本地震で、震度7の揺れを2回も観測した益城町。倒壊家屋などの公費解体5,702棟の工事(申請件数3,657件)は99.9%がすでに終了し(平成30年3月14日時点)、公共施設の解体が始まっています。被災した益城町役場は仮設庁舎に移転して、平成34年3月を目標に、新庁舎の建設ができるよう協議されているところです。

みんなが気軽に集えるあったかい場所

のんびり街を歩いていると、どこからともなく甘い香りがしてきたよ。匂いをたどっていくと、青い小屋に到着。中には人がいっぱいいて、何かイベントが行われている様子。明るい笑い声が聞こえてきて、まるで誰かのお家のパーティーみたいににぎやかだニャ。ちなみに今日は地元女子高生が企画した「パンケーキ作り」のイベントが行われているんだって。子どもから大人まで、たくさんの人たちが参加していたよ。パンケーキが出来上がるまで、飾ってある写真を見て待つんだニャ。

メモ

青い小屋の正体は、仮設商店街「いくばい益城笑店街」の敷地内に建つ「mirai-baco.」。復興のためにできることを話し合う若者向けワークショップ「益城町未来トーーク」で出たアイデアによって誕生したコミュニティスペースです。地域の人たちが申請すれば、誰でも無料でスペースを借りることができます。また、熊本地震の様子を伝える写真やドローン映像が展示され、震災のプチ資料館の役割も担っている場所です。
益城町未来トーークFacebookページ

たくさんの人によって造られた仮設団地

澄んだ青空に見とれながら歩いていたら、たくさんのプレハブのお家が並ぶ「テクノ団地」に着いたよ。地震でお家に住めなくなった人が住んでいるんだ。ここには、すてきな花壇や、遊具がいっぱい!この場所を少しでも心地のいい場所にしようと、住民だけでなく、たくさんのボランティアさんたちが手伝ってくれたんだって。テクノ団地からは、ダム湖と桜並木が見えたよ。もう少ししたら、きれいなピンクの景色が楽しめるんだニャ。

メモ

現在、益城町の仮設住宅は全部で18カ所・1,562戸が整備されていて、入居者は3,337人(平成30年1月31日時点)。また、1,248戸の家庭がみなし仮設住宅で生活しています(平成30年3月9日時点)。その中でテクノ団地は、益城町最大の仮設団地で、1,110人が暮らしています(平成30年3月9日時点)。住民やボランティアが中心となって団地内の設備を手づくりするなど、積極的な活動が行われています。

あの復興ドラマのロケ地に行ってみた!

テクノ団地には、最近、話題のドラマのロケ地があるって、日なたぼっこをしていたおじいちゃんが教えてくれたよ。早速その「益城テクノ笑店街7」に行ってみたら、高良健吾さん、倉科カナさん演じる主人公夫婦が営む理髪店の撮影が行われた店舗を発見!「みんなよか人たちだったよー」と本物の店主さん。笑店街が一体となって撮影に協力したんだって。たくさんの県民エキストラも活躍したらしいけど、ネコのエキストラはいらなかったかニャ?

メモ

熊本県出身の俳優、県民エキストラが出演するドラマ「ともにすすむ サロン屋台村」は、昨年10月に閉鎖された「益城町復興市場・屋台村」を舞台にしたもの。地震以降、一歩ずつ復興に向け歩み進めてきた県民のリアルな姿を描いたヒューマンドラマです。主題歌は県出身のロックバンド「WANIMA」の「ともに」。県内では映画館やテレビで先行上映されていて、今後は全国でも公開が予定されています。

おいしい水が飲める場所を発見したよ!

のどが渇いたので、おいしい水を求めて山のほうへ。このあたりの地区は、まだ復旧作業が続いているところみたいだニャ。たくさんの工事車両とすれ違いながら進むと、きれいな池で泳ぐ、大きなコイに遭遇。澄んだお水は冷めたくて、とってもおいしかったよ。さらにその先には、大きな木が倒れたままの神社。石段も崩れていて、残念ながらまでは行くことができなかったので、階段の下でお参りをしたよ。お家や道路、それにこれまでずっとみんなを見守ってくれていた神社やお寺も、一日も早く、復旧してほしいニャ。

メモ

潮井神社」のある益城町杉堂地区は、宅地の擁壁が崩れ、地割れも起こるなど、被害が大きかった地域の一つです。新たな住宅の建設には大規模な宅地復旧工事が必要とされ、一時は集団移転も検討されましたが、ふるさとに戻りたいという住民からの要望を受け、国の補助事業を活用した復旧工事が決定しました。集落再生に向け、平成30年5月以降に工事が着工される予定です。

益城の春の風物詩「木山初市」

街中に戻ると、なんだかとってもにぎやかだニャ。「木山初市」っていう、春のお祭りがあっているんだって。ステージでは豆まきが行われたり、カラオケ大会があったりと大盛り上がり。地震で被災したお寺跡の空き地では、ミニSLが走っていて、子どもたちが大はしゃぎしていたよ。春らしい植木や雑貨、おいしい食べ物、とにかくたくさんの屋台が並んでいて、人がいーっぱい!みんなとっても楽しそうに歩いていたニャ。

メモ

毎年3月に開催される「木山初市」は、益城町の木山地区で行われてきた伝統的な春のお祭り。車を規制し、歩行者天国となった一般道路を会場としています。昨年は地震の影響で、別会場での開催となりましたが、今年は2年ぶりに会場が復活。地震からの復興を願い「益城復興初市」として開催され、多くの人でにぎわいました。

おいしそうな“お団子”を見つけたよ!

何やら行列ができているお店を発見。みんな「だご」っていう名前のおいしい餅菓子が目当てなんだって。裏では地元のお母さんたちが一生懸命市だごを作っていたよ。おいしそうだニャーと思っていたら、一つおすそ分けしてくれた。甘いあんと軟らかい餅がたまらない、ほっぺが落ちそうなおいしさ。もう一つ食べたいニャ、と思ったらすでに売り切れ。「来年また来てね!」お母さんがそう声を掛けてくれたよ。次に来た時は、どんな風に街並みが変わっているのかニャ?来年の初市が今から待ち遠しいニャ。

メモ

その昔、初市のお客さまをもてなすために、各家庭で作られていたという「市だご」は、うるち米ともち米の粉を蒸してついた「だご」を、たっぷりのあんで包んだ餅菓子です。ぼたもちやおはぎと比べると、粒が見えないほどつかれた“だご”が特徴。現在は家庭で作られることが減り、珍しいお菓子となりました。初市ではその懐かしい味を求めて長蛇の列ができ、お昼には売り切れるというお祭りの名物となっています。